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Clubhouse、日本で100万人規模に成長した2週間。そこで話されていたことは何だったのか?

いしたにまさきブロガー/ライター/アドバイザー
ClubhouseのRoom(著者によるキャプチャー)

Clubhouseが日本で流行して、早2週間。5000人からスタートしたと言われる日本人のユーザー数は、この2週間程度で100万人規模まできたと推測されています。

また、Clubhouseでのランキングのようなものも発表されています。

https://clubhouse-ranking.userlocal.jp/

また合成音声をClubhouseに流す方法も開発されています。みんなClubhouseを楽しんでいますねえ。

Macの合成音声をiOSデバイスの音声チャットで使う方法

きのう私が参加したRoomでは、Clubhouseの公式キャラクターを勝手に考えようなんていうのもありました(笑)。

ただ、すでに問題も起きていないわけではありません。

そして、SNS初期に特徴的に発生する熱量のようなものも、変化しつつあります。

実際、Clubhouseのこの2週間というのは、ちょっとおかしな時間が流れていました。

コロナ禍で鬱積していたものがどどっと流れ込んできた側面もあったと言っていいでしょう。

自分たちが想像以上に雑談というものに飢えていたことを、Clubhouseのおかげで実感した人たちもたくさんいたはずです。

で、実際、この2週間どういった話(Clubhouseでは個々の話をする部屋をRoomと呼びます)がされていたのでしょうか。

私は、そのClubhouse初期の熱量の源となったRoomはざっくり3種類に分類できると思います。

  • 神降臨

誰もが知っているけど、メディアにめったに出ないような人たちが、普通のトーンで話をしている。メディアでは語られないクリエイティブの裏側の話が聞ける

  • ユーザー・ファン同士の他ではできない話

他のSNSでもできないわけではないのですが、記録が残らない、かつネットに全公開ではないことで、普段以上につっこんだ話、ニッチな話、意味のない話ができる

  • 生活パターンがどこか似通ってる人たちとの雑談

Clubhouseがなければ、偶然に出会うことがなかった人たちとの話。Clubhouseは、全員が共有するトレンドのようなものがないので、同じ時間にログインしていることが話をする大きなきっかけになる

ClubhouseのRoomの中では、モデレーターがしっかりとふるまい、各スピーカーに時間を割り振り、定期的に運営されているRoomもたくさんあります。私はそういった運営をもちろん否定するつもりはありません。

しかし、そういった形式のものは、他のメディアでも不可能ではないとは言えません。もっといえば、本来なら従来のメディアに出るべきものであるようなものもたくさんあるのです。

でも、このClubhouse上陸の2週間の熱量を生み出したのは、そういったものではなく、ある意味どんなに予算を積んでも、これまでのメディアでは出てくることがなかった話(とRoom)であったことは記憶されて欲しいと思います。

Clubhouseの画面は、ユーザーがどういう人たちをフォローしているか、どういう時間帯にログインしているかで、かなり風景が異なります。

ただ、この2週間私が見ていたClubhouseの風景は、成功しているクリエイターたちは、やはり過酷な日々を送っているということを感じるものでした。そして、そういった風景が見られたことをとてもうれしくありがたいことであったと思うのです。

ブロガー/ライター/アドバイザー

Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、2007年第5回Webクリエーションアウォード・Web人ユニット賞受賞。「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」「あたらしい書斎(インプレス)」など著書多数。2011年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザーに就任。ひらくPCバッグ・かわるビジネスリュックなど、ネット発のカバンプロデュースも好調。 #カゲサポ

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