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KDDI、ソフトバンクらがNTTのドコモ完全子会社に意見 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.395

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2020/11/14(vol.395)

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《目次》

1.KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルがNTTのドコモ完全子会社化に物申す

━━今こそ見直したい10年前に頓挫したソフトバンク「光の道」構想

2.楽天モバイルが契約申し込み160万件を突破

━━1年間の無料キャンペーン終了後、ユーザーは定着するか

3.NTTドコモが通信機能搭載ドライブレコーダーを発売

━━セルラーV2Xを普及させるには通信対応ドラレコが有用か

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルがNTTのドコモ完全子会社化に物申す

━━今こそ見直したい10年前に頓挫したソフトバンク「光の道」構想

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2020年11月11日、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルなど28社が総務大臣に対して意見書を提出した。NTTによるNTTドコモの完全子会社化に対して、電気通信市場の持続的発展に向けた公正な競争環境整備を求めるのが目的だ。

NTTドコモ以外の通信事業者にとって、今回の完全子会社に対しての危機感は相当、強いものがある。NTT東西が高額な卸料金を設定すれば、NTTドコモと他の通信事業者は赤字に転落するものの、NTTグループ全体で見れば黒字を達成することが可能だ。意見書では「ボトルネック設備の接続ルール・卸役務の利用について厳格な運用が必要」としている。

3社が登壇する会見を見ていて思い出したのが10年ほど前になるソフトバンク孫正義社長による「光の道」構想だ。

光の道構想では、既設の電話線(メタル回線)を全廃し、一気に光ファイバーに置き換えるというもの。日本全国どこででも高速インターネットが提供され、しかも税金ゼロで実現できるとしていた。5年で全国への整備を終え、利用料金も月1000円ちょっとという触れ込みであった。

A案(税負担あり、月5000円、地方切り捨て、2025年以降)とB案(税金ゼロ、月1150円、全国、2016年以降)という比較を見せて、国民にどちらがいいのかを迫った。

光の道構想ではインフラをNTTではなく、別のインフラ専業会社がやるという提案だった。

結局「NTTの機能分離という話にはなったが、最終的にはお茶を濁された」(関係者)という感じで幕を閉じた。

当時、ソフトバンクは携帯電話事業に参入後、エリア展開において苦戦していたこともあり「光の道構想で全国ネットワークを作らせ、そこにうまいこと便乗してソフトバンクのエリアを展開したいんじゃないか」的な目で見られていることも多かった。さらに、当時、孫社長はあまりに美味い話をし続けており、結構、胡散臭い感じになっていたのも、光の道が実現に至らなかった敗因と言えそうだ。

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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