Yahoo!ニュース

孫社長「スプリント、時価総額と為替差益のソロバン勘定」 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.118

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト
撮影:近森千展

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

石川 温の「スマホ業界新聞」

2015/02/14(vol.118)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

《目次》

1.スプリントの売却への可能性に「余計なことは言わない」

━━謙虚な孫社長による「時価総額と為替差益のソロバン勘定」

2.アメリカMVNO事業を撤退し、広告費なども大幅削減

━━NTTドコモで潤ってきた企業が続々と悲鳴を上げる

3. ガラホ、日フォン、ガラスマ、新世代ガラケー……。

━━折りたたみでスマホOSを採用した端末を何と呼べば良いのか?

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.スプリントの売却への可能性に「余計なことは言わない」

━━謙虚な孫社長による「時価総額と為替差益のソロバン勘定」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2月10日、ソフトバンクが決算会見を行った。

その日は地方出張だったため、残念ながら現場に取材はいけなかったが、新幹線のなかで、ストリーミング中継を見た。動画からも孫さんの謙虚な様子は伝わってきた。

会見を見て、ちょっと驚いたのが、スプリント売却の可能性を聞かれて「上場会社であり、余計なことは言わないほうがよい」と真っ向から否定しなかった点だ。

それまで孫社長はプレゼンテーションで「挑戦してみて、山の険しさ、高さを改めて認識した。川も渡ってみないと深さはわからない。挑戦する余地はある。長い戦いになる」と長期的に腰を据えるという構えを見せていた。

シリコンバレーの開発拠点はコスト削減を目的に縮小するものの、ネットワークに関しては、カンザスシティのスプリント本社に宮川潤一氏を送り込むなど、地道に改善を進めていただけに、正直驚いてしまった。

おそらく、もし「スプリントを買っても良い」という奇特な人が現れるようであれば、孫社長は喜んで手放すのだろう。

2013年7月にソフトバンクがスプリントの子会社を完了する際、新スプリント社の78%の株式を約216億ドル(約1.8兆円)で取得している。当時の取引では1株あたり7.65米ドルの現金と交換となっていた。

ではいまはどうなっているか。

この記事は有料です。
石川 温の「スマホ業界新聞」のバックナンバーをお申し込みください。

ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

石川温の最近の記事