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「イチジク」を食べてペットの命が危険に?留守中のゴミ箱の管理も大切

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
イメージ写真(写真:イメージマート)

とろりとした食感で甘い味わいを楽しめる果物がイチジクです。最近、スーパーに行けば、イチジクが並んでいます。イチジクの旬は8月から10月ごろの夏から秋にかけてですね。おいしいので、愛犬に「イチジク」をあげてみようと思うことはありませんか?

人間にとっては、イチジクは美容にいいとかもいわれています。

愛犬にイチジクをあげると、嘔吐やよだれを大量に垂らす子がいるのです。あまり知られていませんが、イチジクは犬に与えてはいけない果物のひとつなのです。それでは、なぜ犬がイチジクを食べるとよくないのかを見ていきましょう。

犬はイチジクを少量でも食べると危険、中毒症状が起こる場合も

犬に実際に、どのぐらいイチジクを与えると中毒症状が起こるのか詳しいことはわかっていません。イチジクに対する犬の中毒症状には、個体差があります。

少量でも命にかかわる犬もいれば、沢山食べても症状が出ない犬もいます。

やはり、少量でも犬にあげないことが重要です。

特に、子犬は胃腸が未発達で消化能力が低いため、注意が必要です。

犬には危険なイチジクに含まれる栄養素

提供:イメージマート

イチジクには豊富な栄養素が含まれますが、そのなかで、犬には危険な栄養素が含まれているのです。

フィシン

イチジクの皮をむくときに乳汁が出ますが、それがフィシンです。これは、タンパク質分解酵素のひとつがフィシンで、消化を促進する効果があります。イチジク内に細菌が入ったときにイチジクを守る働きがあるといわれています。

人間が食べると、体内で肉などのタンパク質の分解をサポートしてくれるため、胃もたれや二日酔い予防に良いとされています。

フィシンは犬にとっては刺激の強すぎる栄養素なのです。犬の場合は、口腔内や食道の粘膜が荒れて、大量のよだれを出す、口内炎になるなどの可能性があります。

粘膜が腫れるので水を飲めなくなり、命の危険にさらされる子もいるのです。

ラテックス

イチジクには天然ラテックスが含まれています。

植物のゴムノキから抽出されるラテックスですが、アレルギーの原因物質になる子もいます。医療関係者で日常的にゴム製品を多用する職種にラテックスアレルギーの人がいます。

他に「ラテックス-フルーツ症候群」になる果物があります。その果物は、アボカド、キウイ、パパイヤ、などです。

犬のなかには、ゴムなどのラテックスにアレルギーを持つ子もいるので、イチジクをあげるとよくないのです。

イチジクを食べて出る中毒症状

・嘔吐

・下痢

・体のかゆみ

・顔が腫れる

・蕁麻疹

飼い主に注意していただきたいこと

写真:イメージマート

・イチジクを加工したドライフルーツやジャムをなど加工食品も同様に与えないように注意しましょう。

・シリアルやケーキなどに、イチジクが入っていることがあります。飼い主が見ていないときに、誤って食べてしまうことのないよう注意してください。

・犬は好奇心旺盛です。床やテーブルに置いたイチジクを食べてしまうかもしれません。イチジクは犬が届かない場所に片づけましょう。

・忘れてはならないのが、イチジクの皮や食べ残しを捨てるゴミ箱です。犬が簡単に開けられないふた付きのゴミ箱を使てください。

・気づかないうちに、イチジクの皮や汁を落としているかもしれません。テーブルの下をチェックしましょう。イチジクを食べるときは、犬をケージやサークルに入れておくと安心ですね。

犬がイチジクを食べてしまったら

・イチジクを食べた可能性があれば、すぐに動物病院に連絡しましょう。

□イチジク中毒の治療(対症療法)

口の粘膜の腫れやよだれが出ていないかを見ます。

・様子がおかしいときは、吐かせることもあります。

・24時間の静脈点滴を行うことで、イチジクが持っている中毒物質が薄まり、尿として排泄されます。

・炭素の吸着剤を内服させる。体の中にある尿素窒素の吸着の手助けをしてくれます。

イチジク中毒の予防

・イチジクは絶対にあげないようにしましょう(大丈夫な子もいるけれど、念のためあげないほうがいいです)。

・お菓子などにイチジクが入っていることもあるため、そのようなものをあげる場合には、内容成分をよく確認しましょう。

・テーブルなど犬が届くところにイチジクを置かないようにしましょう。

・イチジクの皮などを捨てたゴミ箱を注意しましょう。

犬に与えてはいけないイチジクのほかの果物

イメージ写真
イメージ写真写真:アフロ

タマネギ、ネギ、チョコレートやコーヒーなどは、犬が食べてはいけないものですが、果物では、以前書きましたがブドウがあります。

まとめ

犬は、最近ではほとんどが室内飼いです。飼い主が留守の時、彼らは「何か食べるものはないかな?」と探しています。猫と一緒に探す犬もいます。彼らの興味のひとつは、食べ物です。

イチジクを置いていなくても飼い主の食べた後の皮がゴミ箱にあれば、それを漁って食べるかもしれないのです。

飼い主がゴミ箱の管理をしっかりすれば、愛犬はイチジクの中毒になることはありません。犬が食べてはいけない食品を知っておくことは大切ですね。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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