猫が元気のないとき。その居場所で命の危険のあるなしがわかる?
人は診察室で、お腹が痛い、熱っぽい、だるい、体が重いなどと自分の症状を説明してくれます。
一方、猫は「今日、具合が悪いから、動物病院に行ってくるわ」といいません。もちろん、1匹では来ません。飼い主が、なんか具合が悪そうといって猫を連れてきます。
それで、筆者は、具合の悪そうな猫の飼い主に「どこにいますか?」と尋ねます。今回は、猫の居場所を尋ねる理由とその解説をします。
具合の悪そうな猫、いまどこにいる?
飼い主が「猫の具合が悪い、動かない」といわれると、筆者は「猫はどこにいますか」っと尋ねます。
飼い主が見て、すぐに目に付くリビングにいるときは、そう心配がないです。ところが、以下のようなところ猫がいるとよくないことが多いですね。
□タンスの中
□ベッドの中に潜り込んでしまう
□ベッドの下で飼い主の手が届かないところ
□天袋
□だれもいない部屋
□暗いところ
つまり、人の目に付かないところに隠れるのはよくないですね。それではなぜ、そのような場所に猫は隠れるかを見てきましょう。
なぜ、猫は人の目に付かないところに隠れるか?
猫は、体の小さな動物で、具合が悪く機敏に動けないと自然界では敵に簡単に捕まってしまいます。そのため自己防衛本能が働いて、気分がよくなるまで、目に付きにくいところに、猫は身を潜めることになります。
そしてもうひとつの理由は、じっとしているとエネルギーの消費が少ないので、あまり食べなくてもいいという利点もあります。
猫の飼い主のすべきこと
犬は、具合が悪くなると必要以上に飼い主に近寄ってきたりすることが多いです。猫のように隠れたりすることは少ないです。
それで、猫の飼い主は、犬よりよくきめ細かく猫の行動をチェックする必要があります。以下のことは気をつけてくださいね。
□帰宅したときに、いつも出迎える猫が、玄関付近にいるか
□リビングに入ったら、猫がいつもいるところにいるか
□トイレにずっと入っていないか
□飼い主が寝ていると、いつも布団に入ってくる猫がそこにいるか
そのようなことをチェックしながら、猫の行動を観察してくださいね。
まとめ
そういえば、今日は、猫のミーちゃんを朝から見ていないな、ということがないようにしましょう。
1匹しか飼っていない場合は、具合が悪くなっても発見しやすいのですが、多頭飼育の場合は、ついつい見落としてしまうことがありますので、注意してくださいね。
犬の場合は、飼い主の目の前で吐いたりします。猫のように、タンスの上に上がって隠れることができないので、犬の具合が悪いのはわかりやすいです。
一方、猫は、上下運動ができる動物なので、隠れることができます。そのため、具合が悪いときに、姿を消す行動をすることを覚えておいてくださいね。
筆者は、具合の悪い猫の飼い主に「今日はどこにいますか?」と問診します。
「うちのミーはもう大丈夫です。リビングに出てきて他の猫と一緒に遊んでいます」と飼い主が教えてくれると、筆者と飼い主は一緒に笑顔になり、診察室は明るい空気に包まれます。