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新型コロナウイルスの影響でペットシーツも品薄? 飼い主の心得と衛生管理の基本

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、マスクが店頭から姿を消しました。薬局店員に「マスクはいつ入荷するんだ!」とキレる人たちがいるとか。ニュースで○○がないと聞くと、不安にひきずられてパニックになってしまう人がいます。何か買いだめをしないと、ということで「トイレットペーパー」に加え、「ペットシーツ」まで品薄になってしまうのでしょうか。そのペットショップになくても、他のところにありますので、冷静な判断をしてくださいね(決して、パニックになることのないよういに)。こういう非常時に、大切にしたい飼い主の心得とペットの排泄物の衛生管理について考えましょう。

ペットシーツが品薄のとき

空っぽの棚の写真をネットニュースやSNSで見ると、人は不安を感じる場合もあります。トイレットペーパーが品薄になっているので、次は、ペットシーツかもと買い占めてしまう心理があるのでしょうか。私の病院で「ペットシーツが品薄になっている」という飼い主もいます。冷静な判断で行動しましょう(そこになくても、ネットなどには、ちゃんとある場合が多いです)。

ペットシーツは、外でウンチやオシッコができる子だと、ほとんどいらないのですね。室内飼いの犬でも散歩に連れていくと、排泄をしてくる子が大半です。そのようにすれば、完全室内飼いの子もそれほどペットシーツは消費しませんね。

いまの時期 犬の散歩中の排泄のさせ方

・短時間でもいいから、散歩に連れて行く(もちろん、ウンチは取り、オシッコは水を持参して流す)。

・人混みは避けて、人があまりいないところへ。

・ドックランなどは避ける。

・散歩から帰宅したら、目や口などに入らないように注意して被毛を消毒してください(アルコールをテッシュなどにつけて拭く。直接、被毛にアルコールをかけないでくださいね。被毛が乾燥するまてしばらく様子を見ておく。アルコールを舐めさせないように。火気厳禁)。

・飼い主は、帰宅したらよく手を洗う。

ペットシーツ代わりになるもの

そうは言っても飼い主が仕事で留守しているときは、犬は室内にいます。そのときは、ペットシーツの上で排泄をするので、ペットシーツがないと困りますね。他のもので代用することをおすすめします。

(代用品)

・使い古したタオルやバスタオル。大きな場合はペットシーツの大きさに切る。

・着古したTシャツなどを切って、ペットシーツの大きさに切る。

・新聞

・キッチンペーパー

などです。家の中で吸収性のあるものを探して代用しましょう。

犬や猫の排泄処理による衛生管理

ペットシーツが品薄だと聞くと、やはり不安になります。そしてペットシーツを再利用したくなりますが、それは絶対にしないでくださいね。

ウンチは、大腸菌などのばい菌が多くあるものなのでやはり速やかに処置をすることが重要です。

・ウンチは見つけたらすぐに処置する(使い捨て手ぶくろがあれば、それを使う)。

 以前からある犬や猫のコロナウイルスは、ウンチに排泄される。

・ウンチをトイレに流すときは、蓋を閉めてから流す。

・ペットシーツや上記のようにペットシーツに代用していたものは、速やかに廃棄する(布製品は洗って再利用しない)。

・ペットシーツなどを取り除いた後は、トレイは洗剤で洗って、よく拭いてアルコールで消毒(火気厳禁)。

・ペットシーツ以外のもので代用した場合は、オシッコの吸収が悪いので、近くにビニール袋を置いて手早く処置。

・トイレの周りを拭いたものは、洗ったりせずすぐに廃棄する。

・排泄物の処置をするときは、換気をよくしてする。

飼い主の心得

品薄状態と聞くと、買い占める癖がある人は、あなたの大好きな犬のことを何度も何度も考えてくださいね。ひとりでたくさん買ってしまうと、ペットシーツを必要としている犬に回らなくなります。飼い主が不安にならないためには、みんなが思いやりや慈悲の心を持って行動することですね。愛犬家の人は、犬に思いを馳せることができる人なので、他の人のことも考えられると信じています。

まとめ

日本は台風や地震などの災害の多い国です。

そんなときに備えて、どのようにすれば犬や猫などのペットを守れるかを考えておくことは大切です。ペットシーツなどの衛生用品は、どのように使うと、ペットも飼い主も病気にならないかを知っておくことも必要です。新型コロナウイルスは、アルコールと石鹸に弱いという性質があります。そのような科学的知識を持って、犬や猫の排泄物を処理しましょう。ウイルスや細菌は目に見えない小さなものなので、衛生管理を知らないと健康被害に合う場合もあります。

デマに惑わされることなく、冷静な判断で行動をしましょうね。やはりペットの排泄物を触ったときは、しっかり手洗いするのは、基本です。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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