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大関見据える琴ノ若が霧島撃破で横綱・照ノ富士と優勝争いトップ 大相撲初場所、2024年初の賜杯は誰に

飯塚さきスポーツライター
十四日目に霧島を破った琴ノ若(写真:東京スポーツ/アフロ)

2024年最初の場所、大相撲初場所はついに千秋楽。優勝争いの行方は、2敗の横綱・照ノ富士と関脇・琴ノ若に加え、3敗で追いかける大関・霧島の3人に絞られた。

初場所十四日目 豊昇龍休場

十四日目となった昨日、その前日に霧島に敗れたものの、まだ優勝の可能性を残していた大関・豊昇龍の休場が発表された。取組中に右膝を痛めたのだという。これにより、取組が組まれていた横綱・照ノ富士は不戦勝。優勝争いトップのまま今日を迎えた。

決して体が万全ではない横綱。そんななかで結果を出し、千秋楽に優勝争いトップに立っていることに畏敬の念を抱く。千秋楽は、霧島との対戦。対霧島はこれまで10戦全勝だが、今日も勝って休場明けの復活優勝を遂げられるか。

勢いに乗る琴ノ若が大関・霧島を撃破

十四日目最注目の一番となった2敗同士の霧島 - 琴ノ若戦。対戦成績は霧島の10勝3敗と分があった。

最後の仕切り。琴ノ若はいままで見せたことのない気迫の表情を前面に出し、一方の霧島は冷静な表情を崩さない。立ち合いでは琴ノ若が2度の待った。取組は“三度目の正直”だった。

霧島はもろ手で立ち、左手で琴ノ若をのど輪で攻める。しかし、琴ノ若がその手を振りほどいて一度押し込み、素早く右から回り込みながらいなすと、霧島が体勢を崩した。琴ノ若はそこをすかさず横につき、そのまま寄り切り!次期大関を現実のものとして狙う若き関脇が、その力を存分に発揮した素晴らしい一番だった。

これで琴ノ若が照ノ富士と並んで2敗でトップに。琴ノ若は、今日勝ち越しをかける翔猿と対戦。もし琴ノ若が13勝2敗で優勝すれば、来場所を待たずに大関昇進の可能性は十分あると筆者は見ている。今場所十三日目の直接対決は横綱が制したが、千秋楽の行方は、果たして。

<参考>優勝争いの行方

▽12勝2敗 照ノ富士、琴ノ若

▽11勝3敗 霧島

・照ノ富士が霧島に〇 琴ノ若が翔猿に●→ 照ノ富士の優勝決定

・照ノ富士が霧島に● 琴ノ若が翔猿に〇→ 琴ノ若の優勝決定

・照ノ富士と琴ノ若が共に〇→ 照ノ富士と琴ノ若による優勝決定戦

・照ノ富士と琴ノ若が共に●→ 照ノ富士、霧島、琴ノ若による優勝決定巴戦

スポーツライター

1989(平成元)年生まれ、さいたま市出身。早稲田大学国際教養学部卒業。ベースボール・マガジン社に勤務後、2018年に独立。フリーのスポーツライターとして『相撲』(同社)、『大相撲ジャーナル』(アプリスタイル)などで執筆中。2019年ラグビーワールドカップでは、アメリカ代表チーム通訳として1カ月間帯同した。著書『日本で力士になるということ 外国出身力士の魂』、構成・インタビューを担当した横綱・照ノ富士の著書『奈落の底から見上げた明日』が発売中。

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