スタバのホリデーカップが、“レズビアン・カップルの手繋ぎを彷彿させる”と議論に!

ホリデーカップが注目を集めているスターバックスコーヒー。(写真:ロイター/アフロ)

 毎年、クリスマスシーズンが近づくと登場するスターバックスコーヒーのホリデーカップ。その柄は毎年変わるが、今年のホリデーカップの絵がレズビアンのカップルを彷彿させると物議を醸している。

 以下がそのホリデーカップだ。カップの左上に、繋がれた手が描かれている。しかし、この手の主が男性なのか女性なのかは、この絵からは判別できない。男女のカップルの手だと思う人も多いだろう。

カップ左上の手繋ぎしている絵が物議を醸している。(筆者撮影)
カップ左上の手繋ぎしている絵が物議を醸している。(筆者撮影)

レズビアン・カップルの手なのか?

 では、なぜ、この手がレズビアン・カップルの手を彷彿させるのかというと、ホリデーカップのプロモーションビデオにその秘密がある。「ホリデーは誰にとっても特別だ」という、意味深さを感じさせるキャッチフレーズで始まるプロモーションビデオに、2人の女性が、一つのコーヒーを挟んで、手を握りながら見つめ合い、今にもキスしそうになるくらいまで顔を近づけて行くシーンが登場するからだ。ホリデーカップに描かれている繋がれた手は、この女性カップルを彷彿させるというのだ。

 ツイッターでも議論が盛り上がっている。“レズビアン・カップルを応援するようなホリデーカップ”を登場させたスタバを素晴らしいと称賛する者もいれば、”ボイコットスターバックス”というハッシュタグをつけて不買を呼びかけている者もいる。

 本当のところはどうなのか?

 スタバはこのビデオについて「毎年、当社は、ホリデーシーズンには、お客様に、季節のスピリットをインスパイアする体験をお届けしようと心がけています。当社は、世界中にある当店で、あらゆるバックグラウンドやあらゆる宗教のお客様を受け入れ、歓迎し続けたいと思います」と説明している。“あらゆるバックグラウンド”という意味では、この手はレズビアン・カップルの手でもあり得る、ということかもしれない。

 また、もともと、スタバはゲイの人々を支援する企業として知られている。2012年には、本社があるワシントン州で提出されていた同性婚法案に支持を表明。そのため、同性婚に反対する“結婚のためのナショナル・オーガニゼーション”がボイコット運動を起こした。当時CEOを務めていたハワード・シュルツ氏は、2013年の株主総会の際、“ボイコット運動のせいで株価に影響が出た”と投資家に批判されると「同性婚を支持したのは、金儲けとは関係なく、多様性を尊重する主義だからだ」と言って一蹴した。繋がれた手がレズビアン・カップルの手であるとするなら、その手で、シュルツ氏は多様性の尊重を訴えているのだろう。

シュルツ氏の“ささやかな抵抗”?

 もっとも、同じプロモーションビデオには、女性カップル以外に、イスラム風の帽子を被った男性と手を繋いでいる白人女性や、年齢も人種も異なる男女がクリスマスツリーの飾り付けをしている風景も登場している。その意味ではスタバは、セクシュアリティーはもちろん、年齢や人種など様々な違いを乗り越えて繋がろうと呼びかけているのかもしれない。つまり、この繋がれた手は、誰の手でもあり得るということではないか。

 当時に、この手は、トランプ氏の考え方に対するアンチテーゼのようにも思われる。シュルツ氏は、今年初め、シリア難民の受け入れを停止したトランプ氏に対抗するように「戦争や差別から逃れてきた人々を受け入れ、5年間で1万人の難民を世界中の店舗で雇用する」と宣言している。今年のホリデーカップには、“不寛容”なトランプ氏に対する、シュルツ氏の“ささやかな抵抗”が込められているのかもしれない。