企業価値25億ドルに達したPinterestをどう評価する?

Pinterestは写真共有のピンボードサービス

Pinterestが企業価値15億ドルと評価されて楽天から5000万ドルの出資を受けたのは、2012年5月のことだ。楽天以外にもレイターステージへの巨額の投資を行なうことで知られるAndreesen Horowitzらが参画し、総額1億ドルを集めたといわれている。

そのPinterestが、今度は企業価値25億ドルで2億ドルの投資ラウンドを成功させたという。ほとんど収益がないとされる企業としては、米国シリコンバレーにあっても例外的に高い評価を受けているといえる。

企業価値を評価するには、簡単にいえば利益に対するPER(株価収益率=株価÷一株あたりの当期純利益)をみて、ベンチマークになりそうな企業の株価のPERを比べてみればよい。AppleやGoogleのPERは10~20倍(このあたりが健全な数値と言ってよい)だから、たとえば純利益1億円の会社なら、企業価値は10億円から20億円と考えればよい。

もちろん未上場の会社の株価だから、PERは将来性への期待値が入るので、この倍率は多分に気分の問題で変化するといえるものだ。

しかし利益を上げていない企業にはこの考え方ができないので、近い将来どのくらいの利益を出すかを想定して、3年後に10億円の利益を出しそうなら、100億から200億円の企業価値と評価することになる。Pinterestの場合、25億ドルの評価額なら2~3年以内に少なくとも1億ドル(約90億円)の純利益を出すと市場が考えているということだ。

これだけのポテンシャルがPinterestにあるのか?皆さんはどう考えるだろうか?

Pinterstについてはこのコラムでも何回か取り上げている。登録ユーザーは自分が好きな写真をアップして、自分自身のピンボードをつくるとともに、ほかのユーザーがアップした写真を気に入れば、それを自分のピンボードに貼り付ける(Repin)こともできる。同時にそれらをまとめて他ユーザーに見せることも、自分だけのコレクションにすることも可能だ。

全米においてすさまじい速度でトラフィックをのばし、多くの女性ファンからの支持を得たPinterestは、多くの摸倣者がいることでも有名だ。きれいな写真を並べることでクリックを誘発できる、というシンプルな事実に惹かれて、アパレルやインテリアなどのビジュアル重視の商品を販売するECがまず飛びついた。代表的なのが、Fab.comだ。彼らは“オンラインでモノを売る”という明確なマネタイズエンジンに、強力なトラフィックエンジンを組み合わせることで大成功している。

次にレディー・ガガが自身のファンサイトであるLittlemonsters.comをつくり上げ、見た目には非常にPinterestに似た写真共有型のUIを採用した。Littlemonsters.comは開始以来約1年で、100万ユーザーを獲得している。模倣できる特徴をもつということはPinterestがすぐれたサービス、インターフェイスの革新者であることの証明である。また、トラフィックエンジンが強力であれば、いつかはそれを換金できる、ということも、これまでの多くのインターネット企業が事実として示してきている。

とはいえ、2億ドルもの資金を得た以上、そろそろ自身にもビジネスモデルがあり、すぐれたマネタイズエンジンをもっていることを証明しなければならないステージに、Pinterestはきているのではないか? 巨額を出資した楽天もまた、日本国内で彼らとの協業をどうつくり上げていくのかを、見せていく必要があるだろう。

via MdN Interactive