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3.11 被災地は荒れた天気のおそれ

平野貴久気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属
あす11日午前9時の予想天気図(ウェザーマップ)

 あす3月11日、東日本大震災の発生から8年となります。

 未曽有の災害により、被災地では、未だに2500人以上が行方不明となっていて、今も月命日には警察による不明者の捜索が行われています。8年経った今も、震災は終わってはいません。

 あすは各地で追悼の式典などが行われますが、被災地は荒れた天気となるおそれが高くなってきました。

朝から本降りの雨 暴風と高波も

 このところ、低気圧と高気圧が交互にやってくる周期変化の天気となっていますが、あす3月11日は低気圧の影響を受ける見込みです。

 九州の南にある低気圧が、このあと発達しながら三陸沖を北上するため、東北地方太平洋側の被災地は、朝から本降りの雨となり、雨脚が強まる時間がある見込みです。ここ最近では一番まとまった量の雨となりそうです。

 そして、雨以上に警戒が必要なのが、暴風と高波です。

 沿岸被災地では、まず海からの東風が強まり、その後は北~北西に風向きが変わって強まる見込みです。東北太平洋側では、35メートルの最大瞬間風速が予想されています。また波の高さは6メートルと、海上は大しけとなる見込みです。

あす11日(月)正午の雨と風の予想(ウェザーマップ)
あす11日(月)正午の雨と風の予想(ウェザーマップ)
あす11日(月)午後3時の波の予想(ウェザーマップ)
あす11日(月)午後3時の波の予想(ウェザーマップ)

これまでの3.11にはない天気

 震災発生翌年から去年まで、3月11日の仙台の天気を振り返ってみると、多少雨や雪が降ったり、晴れても風が強いという日はありましたが、暴風雨となった年はありません。今回、震災後の3月11日としては、最も「穏やかではない」天気となる見込みです。テントの設営なども予定されていると思いますが、危険を伴う場合もあるため、可能であれば場所を屋内の安全なところに変更するなどの措置が必要になってくるかと思います。

 東北の被災地にとって、あすは大切な一日となります。

 これまでの3月11日とは違う天気となる見込みですから、ケガなどのないよう、これまで以上に安全面には十分注意して過ごしていただければと思います。

気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属

1980年愛知県生まれ。大学では気象学を専攻。卒業後は番組制作会社でリサーチャーとして活動。メディアを通じて自ら気象情報を発信したいという思いから、2009年に気象予報士の資格を取得。2012年から宮城県の仙台放送にて気象キャスターを務める。現在「仙台放送 Live News it!」出演中。予報はもちろんのこと、これまで宮城県内さまざまな場所を取材した経験から見えてくることなども発信できたらと思います。

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