緊急事態宣言が5月いっぱいまで延長をされました。東京などの特定警戒都道府県は休校が続きますが、いよいよ学校が再開されるエリアも出てきました。今後の学童保育のシナリオを考えてみたいと思います。

〇休校継続エリア:最優先テーマ「学童崩壊を防ぎ、5月を無事に乗り切る」

学童保育では3月より既に2か月にわたり学校休校にあわせて朝からの開室を続けています。感染拡大が収まらない恐怖感で4月の後半は心身ともにギリギリの状態でありました。GWで一息ついたところですが、この先も長いのでまだまだ予断を許さない状況です。

最前線で頑張る医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーのご家庭やどうしても就業が必要なご家庭を支えるために、準最前線の“学童崩壊”を起こしてはいけません。体制維持を最優先に以下の4つの施策の実行が望まれます。

1.引き続き利用制限を続ける

 学童保育は原則閉室にして、どうしても利用が必要な方に再申請いただく

2.午前中は学校で受け入れる

 午前中は学校で先生が受け入れる、学習サポートなどの時間にも有効です

3.開室時間を短くする

 9時~17時など、スタッフが8時間労働でカバーできる時間にする

4.土曜日を休みにする

 利用者の少ない土曜日は休みにする

GW前にこのような施策を提案し、実際に動いてくれた自治体もありました。全てではなくどれかでも良いので、ぜひ緊急事態宣言中はペースを落として無事に乗り切ることが最優先です。

〇学校再開エリア:最優先テーマ「ゆるやかに元に戻す」

学校再開とあわせて学童保育の出口戦略も必要です。学校が再開されても、当初はクラス・学年別や出席番号などでの分散登校が見込まれます。それをふまえてのシナリオ作りです。

・学校再開後も学童保育は朝から開室すべきか?

例えば、1・3・6年が登校という日があって、そうなると2・4・5年生の中で共働き家庭の子は朝から学童保育が必要になります。受け入れてあげねば、という使命感もありますが、ここは控えた方が良いと考えます。つまり学校再開後は、学童保育は通常の放課後開室に戻して登校した児童だけを受け入れる、ということが良いと思います。学童保育は保育園と異なり、長期休暇時を除いてもともと14:30など放課後開室を前提とした体制ですので、これ以上朝から続けない方が良いと考えます。でないと体力の続かなくなるスタッフや、心身の疲労からの退職などが出ると中長期的な体制維持が難しくなります。今回だけでなく今後も継続して「分散登校時は放課後開室」というルールにしておくと良いと感じます。

・とはいえ、自宅待機児童の受け入れはどうするべきか?

とはいえ自宅待機のご家庭の中にどうしても学童保育が必要なご家庭があります。その子どもは“学校で朝から受け入れる”のが得策だと考えます。登校日ではない自宅待機の子どもにも宿題などが出されることになります。小学生低学年の子どもが家庭で自ら課題に取り組めるわけではありません。スケジュール、ペース配分、また分からない時のサポートには大人の力を要します。これは普段先生が一手に担ってくださっていることです。これらのことが普段学童保育に通うご家庭では難しい状況です。ですので、登校日でない学童保育対象児童は学校の教室で受け入れ、学習サポートを先生方にしていただくのが望ましいスタイルだと考えます。

〇新しい生活様式への対応

学童保育でも提言のあった“新しい生活様式”への対応を考えねばなりません。

やはり最も難しいのは「人との間隔は、できるだけ2メートル(最低1メートル)空ける」というものです。子どもに口酸っぱく注意しても限界があるので、完全な達成は難しいです。とはいえ、できる限りにとなれば、空間を増やすか利用する人数を減らすしかありません。空間を増やす意味では、学校内の学童保育では学校空間の活用の徹底です。どうしても空間を増やせない学校外の学童保育などでは、利用者を減らす他ないので、本来は分散来室としたいところです。とはいえ人数が減らせない時には、衛生の徹底やおやつの時間に離れて食べるなどできることを最大限、と考えることになりますが、学童保育の空間は狭いので相当に限界があります。

今後も学童保育のスタッフは非常に神経を使いながらの運営が続くことになります。

GWで一息ついた感じがありますが、ここからまだ長い道のりがあります。これからやってくる夏の暑さは学童保育にとっても大きな課題で、とても外に出られない暑さの日が年々増えているのも心配な事態です。

また今回の休校中にオンラインの学習コンテンツが充実しましたが、ネット環境がない学童保育も多くあり、あまり導入できなかった現実もありました。そのあたりは早急に整備しておきたいところです。

まずはとにかく安全運転を続けて崩壊を起こさないこと。そして中期的には学童保育そのものの体制や予算の拡充そして何より学校や地域との協働体制の拡充を整えていかねばなりません。