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小中高校生のインターネットの使い方はパソコンとスマホでは大きな違いが(2024年更新版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
小中高校生のインターネットライフは機器で違いが生じるのか(写真:アフロ)

小中高校生はスマートフォンをはじめとする主要なインターネットアクセス機器で、どのような行動をしているのだろうか。内閣府が2024年3月に確定報を発表した「令和5年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の調査結果から確認する。

次に示すのはスマートフォン、従来型携帯電話、自宅用のパソコンやタブレット型端末、家庭用ゲーム機それぞれでインターネットを利用している人における、その機器による利用内容を示したもの。普段からその目的で利用していると認識した項目に答えてもらっている。「コミュニケーション」とは電子メールやメッセンジャー、ソーシャルメディアなど、他人との意思疎通ができるサービス全般を指す。項目の並び順は元資料に準じている。

↑ インターネットで何をしているか(該当機種でインターネット利用者限定、小中高校生、複数回答)(2023年)
↑ インターネットで何をしているか(該当機種でインターネット利用者限定、小中高校生、複数回答)(2023年)

端末の性能や提供されているサービスの違いによるものだが、スマートフォンと従来型携帯電話では使われ方に大きな違いが生じているのが分かる。むしろ従来型携帯電話では機能が限定されているので、コミュニケーションでしか使えない人が多いのだろう。スマートフォンは動画視聴、コミュニケーション、情報検索、音楽視聴、ゲームなど使われ方が多様におよぶ。地図・ナビゲーションや勉強に使っている人も多数確認できる。

自宅用のパソコンやタブレット型端末では動画視聴や情報検索が主で、ゲームや音楽視聴、勉強が続く。コミュニケーションの値がスマートフォンと比較して随分と低い値にとどまっているのは、個人利用のパソコンではないため、プライベートなやりとりができないからだろうか。勉強の値が高めな一方で、漫画は低い値なことも、その推定を後押しする形になる。

これを全体比で算出したのが次のグラフ。上記が「その端末でインターネットを利用する人における利用実情」であるのに対し、これは全体に占める割合。それぞれその端末でインターネットを利用する人の割合から逆算しており、例えばスマートフォンでは動画視聴の項目は65.6%とあるので、小中高校生全体の2/3近くは、スマートフォンで動画視聴をしている形となる。子供達の実態を全体的に見る時に役立つ値といえる。

↑ インターネットで何をしているか(複数回答、小中高校生全体比)(2023年)
↑ インターネットで何をしているか(複数回答、小中高校生全体比)(2023年)

スマートフォンの動向を見ると、動画視聴以外でもコミュニケーション・情報検索・音楽視聴、ゲームが5割超を示している。この現状は、数年前には到底想像もできなかったに違いない。さらに3割近くがスマートフォンでニュースを取得したり勉強し、4割近くが地図・ナビゲーションを活用している次第ではある。

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※令和5年度青少年のインターネット利用環境実態調査

2023年11月1日から12月7日にかけて2023年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(困難な場合は訪問配布訪問回収法やウェブ調査法も併用)で行われたもの。回答側の事情次第で郵送回答法を併用している。有効回答数は青少年が3279人(うちウェブ経由は401人、郵送回収法は141人)、保護者は3322人(うちウェブ経由は415人、郵送回収法は149人)。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項のない限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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