Yahoo!ニュース

スマホは2021年時点で13.4億台の出荷…世界のスマートフォンやタブレット型端末の市場規模

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
時代を大きく変えたスマートフォン、そしてタブレット型端末。市場動向は(写真:アフロ)

世界を大きく変えた道具として筆頭に挙げられるスマートフォン。そのスマートフォンや、類似のスタイルを持つタブレット型端末の、世界規模での市場や出荷台数の実情を、総務省が2022年7月に公開した、2022年版となる最新の「情報通信白書」の内容から確認する。

最初に示すのは、世界のスマートフォンの市場の規模や出荷台数の現状と2024年までの予想。2021年までが確定値で2022年以降は予想値。データの一次ソースはイギリスに本社を置く情報事業の多国籍企業Informa社のハイテク関連産業調査部門Omdia。なお出荷台数はあくまでもその年に出荷された台数であり、その時点で利用されている台数ではない。

↑ 世界のスマートフォン市場規模・出荷台数(2022年以降は予想値、億台・億ドル)
↑ 世界のスマートフォン市場規模・出荷台数(2022年以降は予想値、億台・億ドル)

白書では以前出荷台数などについて「普及が進んだことから2017年をピークに減少に転じている」「2020年は新型コロナウイルスの感染拡大による生産・販売・消費活動への影響により、さらに減少した」「今後の出荷台数・市場規模は5Gの普及とともに増加に転じ」と説明していた。公開値は2015~2024年の範囲だが、おおよそその通りの状況となっている。2020年の出荷台数の落ち込み具合は衝撃的ではあるが、その分2021年以降は大きく伸びているのが幸い。

続いてタブレット型端末。なお地域別区分ではスマートフォンのグラフと違い、アジア太平洋は日本や中国も含めたものとなっている。

↑ 世界のタブレット型端末市場規模・出荷台数(2022年以降は予想値、億台・億ドル)
↑ 世界のタブレット型端末市場規模・出荷台数(2022年以降は予想値、億台・億ドル)

出荷台数は2019年を一つ目の底とし、それ以降は漸増、2020年が天井で、それ以降は2022年に落ちて、その後おおよそ横ばいに推移する。一方で出荷金額は2018年を底としてそれ以降は増加に転じるが、2021~2022年を天井として、それ以降はほぼ横ばいに。この動きについて白書側では以前「2020年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、オンライン教育や在宅での動画視聴における利用が増え、出荷台数が増加」「今後は出荷台数は横ばいで推移する一方、業務用や教育用で単価が高い端末の利用が増え、市場規模は回復傾向で推移」と説明していた。

タブレット型端末の必要性の度合いとしては、スマートフォンと比べて相当低いポジションにあるのは否めない。市場動向がその実情を示していると考えれば、今回の結果も納得ができよう。

■関連記事:

【小中高校生がタブレット型端末でしていることの中身をさぐる(2020年公開版)】

【スマートフォンでもっとも使われている機能は何だろう?】

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事