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契約総数2億8270万件…携帯電話の契約数の実情

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
今やスマートフォンが主流となった携帯電話。その契約数は(写真:アフロ)

今や日常生活には欠かせない存在となった携帯電話。一人で複数台の契約をして使いこなしている人も少なくない。それでは実態として、現在どれぐらいの携帯電話が契約されているのだろうか。総務省が2022年7月に公開した、2022年版となる最新の「情報通信白書」の内容から確認する。

最初に示すのは携帯電話の契約数を経年推移で見たもの。

↑ 通信サービス加入契約数(万件)
↑ 通信サービス加入契約数(万件)

1997年時点では第2世代携帯電話のみで2088万件。2001年5月には3G(第3世代携帯電話)のサービスが始まり、契約数もグンと伸びていく。2009年7月にはBWA、2010年12月にはLTE(3.9~4世代携帯電話)のサービスが開始され、それぞれの契約数が増えていくが、一方で2G(第2世代携帯電話)のサービスが2012年7月に終了して契約数はゼロとなり、3Gも漸減していく。

契約数の総計は増加を続け、2022年時点では2億8270万件となっている。1997年時点からは13.5倍ほどの増加となる。なお第5世代携帯電話は2022年の時点で4502万件。

それぞれの年の総数に対する比率を計算した結果が次のグラフ。

↑ 通信サービス加入契約数(対総数比率)
↑ 通信サービス加入契約数(対総数比率)

当初は当然2Gしかなかったが、次第に3Gが勢いを増し、最大で98.1%まで拡大していく。しかしその後はLTEやBWAの契約数が伸び、また3G自身も減っていくことで比率を減らし、直近の2022年時点ではLTEが49.2%、BWAが28.2%、そして3Gは6.7%となっている。

これだけ多くの契約が行われているのが現状だが、それでもまだ日本国内で携帯電話のサービスエリア外に住んでいる人はそれなりにいる(今回分の白書にはデータがないので、一次資料となる総務省の電波利用ホームページでの公開値を用いている)。

↑ 携帯電話のサービスエリア外人口(万人)
↑ 携帯電話のサービスエリア外人口(万人)

2009年時点ではエリア外人口は15.5万人だったが、直近の2021年では0.8万人にまで減少している。この値が事実上のゼロになるまで、事業者の努力は続けられるのだろう。この携帯電話のサービスエリア外人口には少数ながらサービスエリア化を希望しない人もカウントされている。それを除くと2021年時点では0.7万人とのことである。

なお総務省が2020年12月25日に発表した「ICTインフラ地域展開マスタープラン3.0」によれば、2023年度までにエリア外人口をすべて解消する予定であるとのことである。

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(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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