若年層はややゆとりあり

心理的な状態を表す「ゆとり」との言葉は、それに付随する文言により多様な意味合いを持つ。今回は新生銀行が毎年定点観測的に調査発表している「サラリーマンのお小遣い調査」(※)の最新版(2022年6月発表)を基に、「こづかい」の観点からサラリーマン諸氏のゆとり感を確認する。

今調査によれば男性サラリーマンの2022年における平均月額こづかい額は3万8642円となり、前年比で68円の減少を示している。

↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、年齢階層別、円)
↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、年齢階層別、円)

それではそのこづかい額で、サラリーマン諸氏は「生活のゆとり感」をどの程度感じているのだろうか。「大いにゆとりあり」「まあまあゆとりあり」「やや苦しい」「大変苦しい」の4選択肢から自身の心境に一番近いものを一つ選んでもらい、前者二つを「ゆとり派」、後者二つを「苦しい派」として集計した結果が次のグラフ。

↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感(年齢階層別)(2022年)
↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感(年齢階層別)(2022年)

こづかいの額面の上では各年齢階層中一番高い30代だが、ゆとりの観点でも一番高い値が出ている。単純にこづかいの金額の高低だけではゆとりがあるか否かは判断できないのは事実だが、同時に金額は大きな影響を持っていることに違いもないということか。他方、一番ゆとり派が少ないのは50代だが、既婚者が比較的多いことから、子供にかかわる金銭的なプレッシャー(子供向けに自分の懐から出費しなければならない事案も想定される)が大きく、ゆとりを感じにくいのかもしれない。

一方で見方を変えれば、どの年齢階層でも半数前後は「こづかいが今の金額では苦しい」との感想を抱いている。上を見渡せばきりがないが、昼食代や遊興費など日々の消費の中で、お財布事情の厳しさを覚え、ストレスを感じている人が多数いることは容易に想像できる。

経年変化のゆとり感

サラリーマンのこづかいは額面上では横ばい、あるいは漸減の動きの中にある。そのこづかい額で生活上のゆとりを感じる人の割合は、大きな変化は見られない。

↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感
↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感

こづかいの使い道のトップを行く「昼食代」は500円台が続き(2021年以降は600円台になっているが、新型コロナウイルス流行の影響が大きいと思われる)、雑誌や新聞などもあまり買わなくなり、ニュースなどの情報取得もスマートフォンなどのモバイル端末で済ますようになる。低消費生活に慣れ、少ないこづかいの中でもやりくりをして、バランス調整をしているのかもしれない。2009年から2010年に大きく「ゆとり派」が増えて以降は、大きな差異が見られない。2017年では「ゆとり派」が大きく増加し、2013年を超える値を示し、それ以降はおおよそ「ゆとり派」が増える傾向があるように見える(直近年では減ったが)。

2012年に発表された、「サラリーマンのお小遣い調査」における過去30年分のデータを収録した「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」で確認すると、中期的には「大変苦しい」「大いにゆとりあり」が漸減し、「まあまあゆとりあり」が漸増、「やや苦しい」が横ばいの動きを示している。サラリーマンが購入する物品の価格変動ややりくり、ライフスタイルの変化が、「まあまあゆとりあり」を増やし、結果として「ゆとり派」増加の動きを見せている。

とはいえ全体では未だに「苦しい派」が過半数にあることに違いはない。

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※サラリーマンのお小遣い調査

直近年分となる2022年分は2022年4月11日から18日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2712人。男女会社員(正社員・契約社員・派遣社員)に加え、男女パート・アルバイト就業者も含む。公開資料で多くを占める会社員は男性1252人・女性842人。年齢階層別構成比は20代から50代まで10歳区切りでほぼ均等割り当て。未婚・既婚比は男性が41.8対58.2、女性は60.1対39.9。なお今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではないことに注意。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。