どれほど就学したかを示す指針となる学歴だが、個々の人生に大きくかかわるだけでなく、国全体の教育基準の物差しとしての役割も果たす。国勢調査の結果から、最終学歴の実情などを確認する。

国勢調査は1920年に開始されて以降原則5年おきに実施され(1945年分は終戦関連で延期され1947年に臨時調査が代替実施されている)、2020年調査分で21回目となる継続調査。また10年おきの調査は大規模調査として、より詳細な項目の調査が実施されている。

大規模調査では調査年における15歳以上の人における最終学歴も問われ、その結果も公開されている。そこで学校種類区分で現在の仕組みと同様、あるいは容易に置換が可能な1970年分以降につき、最終卒業学校の種類別に人口比率を算出したのが次のグラフ。ちなみに調査時点で在学者や未就学者、卒業しているが具体的な最終学歴が不明な人は除いている。

↑ 卒業者の最終卒業学校の種類別15歳以上人口割合(男女別)
↑ 卒業者の最終卒業学校の種類別15歳以上人口割合(男女別)

成績内情はともかく大学などの高等学校への進学率が上がっているのは【大学54.9%・短大4.0%、前世紀末から漸増中…大学進学率(最新)】でもお伝えした通り。経年変化で男女の別なく高学歴者の比率が増加しているのが一目で分かる。1970年時点では小学校・中学校が最終学歴だった人は6割近くに達していたが、2020年では1割強となっている。大卒以上の学歴所有者は5.2%だったのが1/4強にまで増加。

これを人口比率では無く各項目に該当する人口別に割り振り、さらに卒業者以外の項目も合わせ、その上で積上げグラフにしたのが次の図。

↑ 卒業者の最終卒業学校種類別15歳以上人口(男女別、万人)
↑ 卒業者の最終卒業学校種類別15歳以上人口(男女別、万人)

比率だけでなく人口の観点でも、高学歴者が増えていることが確認できる。一方で、1990年をピークに在学者の数は確実に減少しており、今後高等学校未満の学校卒業生の加速的減少、高等学校卒業者の増加緩慢化が予想される。

大学での授業内容や学生の質の変移、大学卒業者の就職活動時における評判をかいまみると、「大学を卒業していれば、その後の生活も安泰」との時代はとうの昔に過ぎ去り、企業側も「大学生なら大丈夫」のような(質的)安心感をいだけなくなったことは否定できない。人数的には緩慢な増加、比率的には大きく増えるであろう高等学校卒業者に対し、企業がどのような選択眼を磨いていくかが、今後の各企業の成長にとって大きなカギとなるに違いない。

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