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アマゾンドットコムの地域別売上の実情をさぐる(2022年時点最新版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
先日決算発表をしたアマゾンドットコムだが(写真:ロイター/アフロ)

対象地域は世界を網羅し、多種多彩な商品を取り扱い、条件が合えば当日に商品を入手できる通販サービス「アマゾンドットコム」。そのアマゾンドットコムにおける地域別の売上実情を、同社の決算短信資料から確認する。

アマゾンでは決算短信において、2013年分から主要地域となるアメリカ合衆国、ドイツ、日本、イギリスにおける年間総売上高を公開している。そこでその値を再計算したのが次以降のグラフ。2010~2012年まではアメリカ合衆国の額は北米(アメリカ合衆国だけでなくカナダも含む)で算出していたため、2013年分以降とは厳密には連続性は無い。また各地域の現地通貨での売上は各年の平均米ドルレートで換算している。

↑ アマゾンドットコムの主要地域別売上(億ドル)
↑ アマゾンドットコムの主要地域別売上(億ドル)

↑ アマゾンドットコムの地域別売上(総売上に対する比率)(2021年)
↑ アマゾンドットコムの地域別売上(総売上に対する比率)(2021年)

2021年におけるアマゾンドットコムの総売上額は4698億2200万ドル。そのうち2/3強をアメリカ合衆国だけで叩き出している。同国の購入欲の旺盛さ、需要の大きさが改めて認識できる。

次いで売上が大きいのはドイツで7.9%、イギリスが6.8%、日本はそれに続く4.9%。アマゾンドットコムは諸外国にサービスを提供しているが、この4か国以外すべての国の売上を合わせても売上総額の1割強でしかない。

アメリカ合衆国における売上の伸び具合が非常に大きなものとなっていることが、他国との比較で確認できる。元々アメリカ合衆国は人口の多さも含めた国力の大きい国で知られているが、アマゾンドットコムは同国の消費性向と非常によい相性を持っていたと考えてよいだろう。それゆえにアマゾンドットコムも大きな業績をあげることができるようになった。

アメリカ合衆国単独の区分となった2013年以降に限り、積み上げ型のグラフにしたのが次の図。アメリカ合衆国のウェイトがますます高まっているのが分かる。

↑ アマゾンドットコムの地域別売上(億ドル)
↑ アマゾンドットコムの地域別売上(億ドル)

まさにアマゾンドットコムの成長はアメリカ合衆国とともに、といった実情ではある。

上記は今記事のダイジェストニュース動画(筆者作成)。併せてご視聴いただければ幸いである。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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