日本は対GDP比において一般政府(中央政府だけでなく地方政府や公的な社会保障基金を合わせた公的機関の総体)の社会への関与が他国と比べると相対的に少なく、いわゆる「小さな政府」状態にある。それを歳入・歳出の観点から確認する。

今回用いる手法はOECD(経済協力開発機構)加盟国の一般政府における歳入と歳出の対GDP比を散布図の形で示すもの。その上で、日本がどのような場所にあるかを確認する。歳出・歳入の対GDP比はOECDのデータベースOECD.Stat内Economic Outlookから取得した。なおこの歳入には租税以外に社会保障負担も含まれるが、国債発行による「借金」は該当しない。

実測値としての最新値は2020年分。OECD加盟国の中ではチリ、コロンビア、メキシコ、トルコの値がデータベース上には存在しないので、それらの国は除いてある。

縦軸に一般政府の歳入、横軸に歳出を取り、その実情を示したのが次のグラフ。いずれの国の歳入・歳出ともに20%は超えているため、縦横双方の軸の最低値は20%にしてある(0%にすると体裁が悪くなる)。

↑ 一般政府の歳入・歳出の対GDP比(2020年)
↑ 一般政府の歳入・歳出の対GDP比(2020年)

多少のばらつきはあるものの、歳入と歳出の間には大きな開きが生じないため、45度の角度で形成される線の周辺に各国の値が配されることになる。またこの線上で右上に行くほど一般政府の規模が大きい(歳入・歳出規模が大きい)、左下に行くほど一般政府の規模が小さい(歳入・歳出規模が小さい)ことになる。

アイルランドが極端な低い値を示しているが、それを除くと日本やアメリカ合衆国、オーストラリア、スイス、韓国、イスラエル、リトアニアなどは「小さな政府」の部類に属していることが分かる。他方、フィンランドやフランス、ノルウェー、デンマーク、ベルギーなどは「大きな政府」に該当すると見ることができる。

傾向としては一般政府歳出の記事でも言及している通り、欧州諸国、特に北欧諸国では比較的歳入・歳出が大きくなり「大きな政府」となりやすい。それ以外では比較的「小さな政府」になりやすい傾向があるようだ。これは政府にかける期待や存在意義の認識が文化的に異なり、結果として徴収される、使われるリソースが異なる実情が、数字となって表れているのだろう。

欧州では一般政府が手厚く保護をするが、そのために必要な対価は十分に徴収する、それ以外の国では一般政府は限定的な保護を行うものの、徴収する対価も相応なものにとどまるという次第ではある。

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