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20代のゲーム課金平均額は月4191円(2021年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 今のスマホゲームは課金機能が前提のものが多い。(提供:kagehito.mujirushi/イメージマート)

若年層を中心に昨今流行のゲームの大半は、課金機能を前提としたビジネスモデルとなっている。無料で遊ぶことも可能だが、何らかの特典や優位性を得るためには課金が必要になるというものだ。今回はSMBCコンシューマーファイナンスが2021年1月14日に発表した調査「20代の金銭感覚についての意識調査2021」(※)の結果を基に、20代におけるゲーム課金への姿勢の実情と経験の実態について確認する。

まず示すのは、ゲームでのアイテムの購入やガチャなどの利用にお金をかけているか、つまりは課金をしているか否かについて。ここでは対象となるゲームはスマートフォンのアプリに限定していない。全体では12.2%がかけている、課金をしていると答えている。

↑ ゲームでのアイテムの購入やガチャなどの利用にお金をかけているか(20代、かけている人の割合、男女別)(2020年)
↑ ゲームでのアイテムの購入やガチャなどの利用にお金をかけているか(20代、かけている人の割合、男女別)(2020年)

1割強の人が課金をしているのが多いか少ないか、判断に迷うところではある。男女別に見ると男性は女性の2倍以上、16.8%が該当する。男性の人が課金をする人が多いという実情は、多くの人が納得するに違いない。

それではその課金にはどれぐらいのお金が投じられているのか。課金をしている人限定で平均額を算出した結果が次のグラフ。

↑ ゲームでのアイテムの購入やガチャなどの利用にお金をかけている金額の平均(20代、1か月あたり、かけている人限定、男女別、円)(2020年)
↑ ゲームでのアイテムの購入やガチャなどの利用にお金をかけている金額の平均(20代、1か月あたり、かけている人限定、男女別、円)(2020年)

課金している人限定の全体平均額は月あたり4191円。女性より男性の方が額は大きいが差異はさほど無く、男性は4279円・女性は3997円となっている。大体月に4000円ぐらいと覚えればいいだろうか。無論これは平均額でしかなく、世の中には毎月万単位での課金をしている人もいるはずだが、その具体的な分散度合いは公開されていない。

最後はこの課金をしている人における実情。2つのケースを提示し、その経験があるか否かを尋ねている。

↑ ゲーム課金に関する次のような経験があるか(20代、ある人の割合、男女別)(2020年)
↑ ゲーム課金に関する次のような経験があるか(20代、ある人の割合、男女別)(2020年)

ゲーム課金のし過ぎで生活に困ったことがある人は課金者全体で10.6%、男性に限れば14.6%にも達している。課金者そのものは全体の12.2%だから概算すると、20代全体の12.2%×10.6%で1.3%ほどの人がゲーム課金のし過ぎによる生活苦に陥ったことがある計算になる。

他方、ゲーム課金に後悔をしたことがある人は20.1%と、生活苦の2倍近くに達している。この後悔がどのようなものか、具体的には説明されていないので多様なケースが想定されるが、ともあれ悔やんだことに違いはない。こちらも全体比を試算すると12.2%×20.1%で2.5%ほどとなる。大体25人に1人の割合。

結局のところ、ゲームに課金をする・しないは個人の自由。ゲームに課金した結果、どのような事態が生じようが自己責任の範ちゅうでしかない(課金の仕組みが合法的なものである限り)。他方、20代でこれほどの人達がゲームへの課金を行い、結果として悪影響も生じている実情は、色々と考えさせられる話には違いない。

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※20代の金銭感覚についての意識調査2021

2020年11月6日から9日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女・20代前半と後半の区切りで均等割り当て。未婚者783人、既婚者217人。調査協力機関はネットエイジア。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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