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20代で「レアアイテムやレアキャラを手に入れた時は誇らしい気持ちになる」は34.4%

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 課金でレアキャラが手に入るかも。誘惑にかられる人は多い(素材:ぱくたそ)。

若年層を中心に昨今流行のゲームの大半は、課金機能を前提としたビジネスモデルとなっている。無料で遊ぶことも可能だが、何らかの特典や優位性を得るためには課金が必要になるというものだ。今回はSMBCコンシューマーファイナンスが2021年1月14日に発表した調査「20代の金銭感覚についての意識調査2021」(※)の結果を基に、20代におけるゲーム課金に対する意識の実情を確認する。

次に示すのはゲーム、中でも主に課金についての話に対し、同意するか否かを二択で尋ね、同意した人の割合を示したもの。例えば「課金しててもゲームを有利に進めたい」は全体で13.0%なので、20代の13.0%は、課金の程度はともあれ課金をしてでもゲームを有利に進めたいと考えている、その話に同意していることになる。なお今設問におけるゲームは特に指定されていないので、スマートフォンのゲームアプリとは限らない。

↑ ゲームに関する話についてそう思うか(20代、思う人の割合、男女別)(2020年)
↑ ゲームに関する話についてそう思うか(20代、思う人の割合、男女別)(2020年)

すべての項目について女性よりも男性の方が値は高い。つまり男性の方が今件の話、おおよそゲームの課金については肯定的であることが分かる。むしろその類のゲームでよく遊んでいる、課金をするほど熱中しているという表現の方が適切かもしれない。

「課金してでもゲームを有利に進めたい」は全体で13.0%、「お金を使わないと楽しく遊べない」は14.9%。値に大きな違いは無く、設問の内容的にも似ている部分が多い。「課金してゲームを有利に進めてこそ楽しく遊べる」とすれば、1つにまとめることが可能となる。もちろんゲームの内容によりけりだが、課金をして初めてまともな展開が楽しめる、無料プレイ部分は事実上サンプルプレイに近いものも無いとはいえない。

最近のスマートフォンでのアプリゲームでよく見かける、イベントに登場する特別なアイテムやキャラは課金をしないと手に入らない仕組みの上で、そのアイテムやキャラを手に入れるためならいくらでも貢げる、もとい使えるという人は15.0%。ソーシャルメディアで多数の使用済みプリペイドカードの投入実績とともに手に入れたキャラの写真をアップする人を多々見ると、惜しみたくないという心境も分かる気がする。

そしてそのレアアイテム・キャラを手に入れた時に、誇らしい気持ちになる(そして多分そこには自慢したくなるという意味合いも含まれているのだろう)人は34.4%。設問では「課金をして」とは書かれていないが、多くの場合は課金をしないとその類のものは手に入らない仕組みになっているのが実情だ。

ゲームの課金はそのゲームのビジネスモデルであり、法的に問題が無い限りは何のとがめも受けることはない。また、時間や手間がかかる作業を課金で短縮・省略できるのならば合理的だとの考えも正当性がある。他方、射幸心のあおり方次第ではギャンブルと何ら変わらないとの見方もできる。

賛否はケースバイケースではあるが、ともかく現状では20代のゲームの課金に関する思いの実情はこのレベルであることは、20代の人自身はもちろん、他の世代の人も認識しておくべきだろう。

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※20代の金銭感覚についての意識調査2021

2020年11月6日から9日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女・20代前半と後半の区切りで均等割り当て。未婚者783人、既婚者217人。調査協力機関はネットエイジア。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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