小学生が家庭内で自由に使える通信機器の実情をさぐる(2020年公開版)
インターネットの普及により自分の目の前にいない人との簡単な意思疎通や対戦ゲーム、蓄積性や検索機能を利用した情報の幅広い活用が可能となった。そしてその利便性は子供達にも容易に利用できるのが現状。今回は学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から、小学生が家庭内で自由に使える通信機器の実情を通し、子供達のインターネットの利用実情を確認する。
次に示すのは小学生が家庭内で自由に使える通信機器(今件ではインターネットに接続可能なものを意味する)を複数回答で尋ねたもの。「(共有)」とは家族との共有、「(専用)」とは小学生専用を意味する。他にインターネットを利用できるテレビなどが想定可能だが、すべて「その他」で包括されている。また各端末種類の選択肢の「(専用)」において、保護者によって何らかの利用制限が設けられている可能性はある。なお学校や図書館など、家庭外での利用については対象外となっている。
小学生専用のゲーム機(携帯型・据置型を問わず)は28.4%。他の調査結果や利用スタイルから勘案するに、ゲーム機(共有)は多分に据置型、ゲーム機(専用)は携帯型がメインだろう。スマートフォンは利用可能な機能が多いことやコストがかかるからか、スマートフォン(共有)の方が高い値を示している。また仮に(共有)と(専用)で同一回答者がいなかった場合、小学生の約3割がスマートフォンを使っていることになる。
パソコンは(専用)が2.7%に留まっているが、(共有)は25.4%。恐らくは保護者が普段使っているパソコンか、お下がりとなった旧端末を保護者と共有する形で使わせてもらっているのだろう。
タブレット型端末も(共有)の値はパソコンとさほど変わらないが、(専用)の値は高く11.0%に達している。低コストでスマートフォンの延長上のように使えるからだろうか。
また22.8%は無しと回答している。つまり小学生の2割強は家庭内では自由に使える通信機器=インターネット接続機器が無いことになる。
パソコンとタブレット型端末、スマートフォンについて、属性別に区分して確認したのが次のグラフ。
パソコンは女子より男子の方が値は高く、タブレット型端末もまた同様。しかしスマートフォンは(共用)こそ男子の方が高いが、(専用)は女子の方が高く14.5%との値を示している。女子の方が保護者に見られたくないというプライベートに対する思いが強いのだろうか。
学年別に見ると、パソコンは(共用)も(専用)もおおよそ学年が上がるに連れて値も増えていく。ただし(専用)は小学5年生で5.5%、小学6年生でも5.0%しかない。(共用)が小学6年生で36.5%であることを考えると、保護者にパソコンの利用方法を教わりながら利用しているというスタイルだろうか。
タブレット型端末は学年別では1~4年生まではパソコンよりも高い値を示している。また(専用)に限れば小学5-6年生でもパソコンより高い値。コストの安さや使いやすさが保護者から受けているのか、スマートフォンと似たような操作方法が受け入れられやすいのだろうか。
スマートフォンはおおよそパソコンやタブレット型端末と比べると値は低い。機動性の高さ=保護者の監視下から逃れやすいことや、コスト高、さらに子供向け専用となると外にも持ち出される可能性が高いのが要因なのだろうか。もっとも小学5年生では17.0%、小学6年生では21.0%がすでに自分専用のスマートフォンを持ち、少なくとも家庭内では自由に使えるのもまた事実ではある。
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【携帯電話、パソコン、テレビ…子供達の自分専用の所有率動向を探る(2016年)(最新)】
※小学生の日常生活・学習に関する調査
2019年8月27日から30日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として、保護者付き添いの下で小学生本人に答えてもらったもので、有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。
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