小学生の就寝時刻の実情をさぐる(2020年公開版)
テレビや宿題、ゲーム、スマートフォンの利用…自宅に戻ってからも子供達にはやるべきこと、やりたいことがたくさんあり、それこそ24時間あっても足りないほど。「寝る間を惜しんで」との言葉にもある通り、夜更かしをしてそれらの行為をする子供も増えているとの指摘もある。それでは実際に、今の子供達の就寝時刻はいつぐらいなのだろうか。学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から確認する。
最初に示すのは小学生に普段の就寝時刻を尋ねたもの。設問用紙は公開されておらず報告書でも「普段夜は何時頃に寝ていますか」とあるのみで曜日の指定は無いが、「普段」との言い回しが使われていること、他の日常にかかわる設問では帰宅後の遊び時間について問われているので、実質的に平日の学校がある日を前提としているものと考えられる。
全体では午後9時前に寝てしまうのは2割足らず。ほぼ半数が午後9時台に就寝し、それ以降の夜更かしをしているのは3割強。男女別ではわずかだが女子の方が夜遅くまで起きているような結果が出ている。
学年別ではほぼ綺麗な形で低学年ほど早めに寝る傾向が見られる。小学1年生では午後9時までに寝てしまうのは4割に届こうかというぐらいだが、小学6年生では2割強でしかない。午後11時以降にならないと寝ないのは小学1年ではわずか0.5%だが、小学6年生では11.5%にもおよぶ。
これらの回答を基に就寝時刻の平均値を算出したのが次のグラフ。もう少し詳しい属性区分をした上でのものとなる。
小学生全体では21時55分。男女別では2分ほどの差で女子の方が遅く寝ている。単純な学年別では高学年ほど就寝時刻は遅く、小学1年生では21時34分なのに対し、小学6年生では22時19分となっている。
男女・学年別では女子の小学6年生における夜更かし度合いが目に留まる。これが女子全体や小学6年生全体の就寝時刻を引き延ばしているのだろう。
あくまでもこれらの時刻は平均値でしかない。子供の体質や環境などで適切な時刻は大きな違いを示す。また起床時刻も大きくかかわってくる。あくまでも現状における平均的なものとして見てほしいものである。
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※小学生の日常生活・学習に関する調査
2019年8月27日から30日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として、保護者付き添いの下で小学生本人が回答するように答えてもらったもので、有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
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