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37の州や地域は18歳以上の3割以上が肥満判定…アメリカ合衆国の肥満動向最新情報(2020年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 肥満体質は健康にはマイナス。気になる人も多いはずだが。(写真:アフロ)

肥満の18歳以上が3割以上いるのは37の州・地域

食生活などの影響で肥満体系の人が多いアメリカ合衆国。その実情を同国の医療保健関連の公的機関CDC(Centers for Disease Control and Prevention:疾病予防管理センター)の部局BRFSS(Behavioral Risk Factor Surveillance System)の公開値から確認する。

まず図中で使われる「BMI」について。これは「肥満」度合いを示す基準の一つで「体重(キログラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル)」で算出される。日本肥満学会ではBMIが22.0で平均的体格・体重、25.0以上を太り気味、18.0以下をやせ気味としている。今件データを用いるアメリカ合衆国では

・Underweight(やせ型)…18.5未満

・Normal weight(標準)…18.5~24.9

・Overweight(過体重)…25.0~29.9

・Obesity(肥満)…30.0以上

と区分している。

次の図は、アメリカ合衆国各州などにおける成人男女(今件では18歳以上基準)のBMI値について、30.0以上の人、つまり肥満判定を受けている人の割合を示したもの。例えばMississippi州は40.8%とあるので、大人の4割強が「肥満」判定を受けていることになる。なお2019年分では何らかの事情でNew Jersey州のデータが収録されておらず、考察からは除外している。

↑ アメリカ合衆国の18歳以上における肥満判定者比率(BMI30.0以上、CDC・BRFSS、州・地域別)(2019年)
↑ アメリカ合衆国の18歳以上における肥満判定者比率(BMI30.0以上、CDC・BRFSS、州・地域別)(2019年)

30%以上の州を薄い赤で色分けしたが、この領域に該当するのは全部で37の州や地域(全土の中央値除く)。最大値を示すMississippi州は40.8%、次いでWest Virginia州が39.7%、Arkansas州が37.4%と続いている。「肥満大国アメリカ合衆国」との俗名に恥じないデータではある。全土(自治的地域含む)の中央値は32.4%で、国全体としても30%超え。最低の値を示すColorado州とDistrict of Columbia(コロンビア特別区、俗にいうワシントンD.C.)でも23.8%。4人に1人近くが肥満状態にある。

肥満以外の人の実情

肥満以外の判定を受けた人の割合の実情を精査した結果が次のグラフ。なお並びは上記グラフ同様、「肥満」の人の割合が多い順にしてある。

↑ アメリカ合衆国の18歳以上における肥満判定者などの比率区分(CDC・BRFSS、州・地域別)(2019年)
↑ アメリカ合衆国の18歳以上における肥満判定者などの比率区分(CDC・BRFSS、州・地域別)(2019年)

アメリカ合衆国全土では32.4%が「肥満」、34.6%が「過体重」。「標準」は30.5%、「やせ型」は1.8%に留まっている。

州・地域によっては肥満判定者が多いにもかかわらず「標準」や「やせ型」の割合も多いところもあるが、概して「肥満」と「過体重」の合計が6割台から7割台を維持しているのが分かる。つまり「肥満」の少ない州でも多分に「過体重」の比率が高く、おおよそ「標準」+「やせ型」の比率が一定(3~4割程度)に留まっている。「標準」「やせ型」の合計が4割を超えているのは5地域のみ。5割超えは皆無。あまり想像したくはないが、これが現実である。

さらに前年分、つまり2018年分における「肥満」判定を受けた人の割合を今回2019年分と比較すると、増えた州と地域の数は減った州と地域の数の2倍ほどにあたることが確認されている。

↑ アメリカ合衆国の18歳以上における肥満判定者比率(BMI30.0以上、CDC・BRFSS、前年比、州・地域別、ppt)(2019年)
↑ アメリカ合衆国の18歳以上における肥満判定者比率(BMI30.0以上、CDC・BRFSS、前年比、州・地域別、ppt)(2019年)

全体集計ではないため誤差が生じている可能性はあるが、プラスの州や地域がマイナスの州や地域の数と比べて多いことが一目瞭然なこのグラフは、アメリカ合衆国における成人の肥満者実情を再認識させてくれるのには十分な結果ではある。

ここまで肥満者が増えた原因は多様におよび、一概に「これのみが原因」と言い切ることはできない。冒頭で挙げた基本的な生活様式に加え、食生活の改善と変化、交通機関の整備、社会生活そのものの変移、さらには現在多数の人が対象となっているSNAP(Supplemental Nutrition Assistance Program:補助栄養援助プログラム、旧フードスタンプ。2020年4月時点で4299万5224人が対象。ただし災害救援対象者を含む)が一因との考え方もある。さらにデータを取得した肥満に係わるページのデータベースでは、今件データの他に果物・野菜の摂取量などに関するデータも併記されており、これらの多い少ないが肥満と浅からぬ関係を有していると考えられているようだ。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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