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バレンタインデーに向けてチョコはいつ買われているのだろうか、その実情をさぐる(2020年時点最新版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 愛の語らいのメッセンジャーとなるチョコレート。購入時期は?!(写真:アフロ)

2月14日のバレンタインデーに向けてチョコレートの話題には事欠かない昨今。実際にはいつ頃チョコは買われているのか。総務省統計局が定期的に調査を実施し、その結果を公開している「家計調査」の内容から確認していく。

「家計調査」では二人以上世帯(原則夫婦世帯)においてのみ、日次の動向に関する調査も行われている。世の中全体の動向を推し量るのには総世帯(単身世帯+二人以上世帯)の値が望ましいのだが、存在しない以上仕方が無いので、この二人以上世帯における日々の支出金額から、「チョコレート」、そしてその類似品でありバレンタインデー用のギフトとして購入される「チョコレート菓子」がバレンタインデーに向けてどのように買い進まれていくのかを確認する。

加えて「他の洋生菓子」も調査項目として追加する。これはバレンタインデーはともかく、その翌月のホワイトデーで対象となる種類の菓子が含まれるからである(なお「キャンデー」も単独項目として「家計調査」には用意されているが、バレンタインデー・ホワイトデーともに特異な動きは無かったので、今回は省略する)。それぞれの商品区分は次の通り。

●チョコレート

・原則として、チョコレート生地の重量が60%以上のもの

 例…アーモンドチョコレート、麦チョコ

●チョコレート菓子

・原則として、チョコレート生地の重量が40%以上60%未満のもの又は準チョコレート生地が60%以上のもの

●他の洋生菓子

・エクレア シュークリーム

・ワッフル クレープ バームクーヘン

・アップルパイ

・ロールケーキ パウンドケーキ マドレーヌ

・ババロア ムース

・スイートポテト

現時点で日次データが取得できるのは2019年11月分まで。そこで前年度に該当し、バレンタインデー関連の動向を推し量れるように、2018年12月から2019年3月までの日々の支出金額に関して、「チョコレート」「チョコレート菓子」の動向を確認する。

↑ 二人以上世帯における支出金額(日次、品目別、円)(2018年12月~2019年3月)
↑ 二人以上世帯における支出金額(日次、品目別、円)(2018年12月~2019年3月)

日取りによる影響も少なくないが、「チョコレート」は2019年のバレンタインデーでは当日の2月13日(水曜)の支出金額が最多で、当日の2月14日(木曜)がそれに続く。ただし2月10日(日曜)から2月12日(火曜)にかけても高い金額を示している。

また「チョコレート菓子」はバレンタインデーやホワイトデーに関して、イレギュラー的な動きはほとんど無い。わずかにホワイトデー前に高めの値が出ているようにも見える程度。バレンタインデーなどはあくまでもチョコレートのイベントであり、チョコレート菓子はほとんど無視されると見てよい。

ホワイトデーといえばキャンデーやマシュマロのような洋菓子がイメージされるが、キャンデーについてはほとんど動きが無いものの(グラフ化は略)、「他の洋生菓子」は明らかにホワイトデーに向けた上昇ぶりを見せている。ただし支出金額はバレンタインデーの「チョコレート」にははるかにおよばず。

興味深いのはホワイトデーの直前に当たる3月11日(月曜)や当日の3月14日(木曜)にも「チョコレート」の支出金額が伸びていること。ホワイトデー用のギフトとしても、チョコレートの類が用いられる事例は少なからずあるようだ。

ちなみにバレンタインデーにおいては、チョコレートだけでなくケーキの類もギフトとして用いられるケースがある。しかし2019年においては明確な支出金額の上昇振りは見られなかった。少々大きいように見える程度。

↑ 二人以上世帯における支出金額(日次、ケーキ、円)(2018年12月~2019年3月)
↑ 二人以上世帯における支出金額(日次、ケーキ、円)(2018年12月~2019年3月)

12月24日は当然クリスマスイブ、そして3月3日はおそらくひな祭りのためにケーキが買われているものと考えられる。さらに興味深い話だが、バレンタインデーやひな祭りでは見られない現象として、クリスマスイブの翌日、クリスマス当日にも「ケーキ」は高い支出金額を示している。イブではなくてクリスマス当日にケーキを食べようとの動きに加え、イブを過ぎてセールス価格となったケーキを購入するパターンも少なからずあるのかもしれない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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