若者労働者における正社員・非正社員率を男女別でさぐる(2020年公開版)

↑ 男女で正社員・非正社員の比率に違いは生じるのか。(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

学歴や年齢で正社員の割合に違いは生じているのだろうか。若年層における男女別の実情を厚生労働省が2019年12月18日に発表した、2018年時点における若年層の雇用実態を調査した「若年者雇用実態調査」(※)の結果から確認する。

15~34歳までの若年層の労働者(就業者)(現在在学していない人は除く)においては、全体で7割近く、20代以降は7割台が正社員として働いている。

↑ 若年労働者における就業形態別割合(調査時点で在学していない人のみ、属性別)(2018年)
↑ 若年労働者における就業形態別割合(調査時点で在学していない人のみ、属性別)(2018年)

正社員率が7割近く、見方を変えれば非正社員率が3割強との値は、非正社員がかなり多いように見える。しかしこの値は男女込みのもので、その女性の多くは結婚をした上での兼業主婦で構成していると考えられる。

そこで次に、年齢階層別に加えて男女別で、正社員・非正社員率を確認する。未婚・既婚の比率は無いものの、女性は兼業主婦による就業の影響が大きいため、非正社員率が上がる状況がよくわかる結果が出ている。

↑ 若年労働者における就業形態別割合(調査時点で在学していない人のみ、男女別・年齢階層別)(2018年)
↑ 若年労働者における就業形態別割合(調査時点で在学していない人のみ、男女別・年齢階層別)(2018年)

男性はおおよそ歳が若いほど非正社員率が高く、年上になるほど低くなる。30代前半では正社員率は81.9%にも達することになる。20代後半で大きく正社員率が上昇するのは、大学(院)を卒業した人が正社員として就職するからだろう。

一方女性の場合、15~19歳においては非正社員率は39.3%、20代前半で大きく非正社員率は下がるが、それ以降は非正社員率は再び増えていく。高卒・専門学校卒などで正社員として入社するため20代前半では正社員率が跳ね上がるが、それ以降の年齢では結婚退職などで一度職を辞し、その後兼業主婦としてパートやアルバイトで働くパターンが多々あるものと考えられる。そして20代前半以降は年が上になるに連れて非正社員率が高くなるのは、結婚をして兼業主婦として働く人の割合が高まるものと考えれば道理は通る。

今件項目データでは未婚・既婚別の正社員率は無いが、30代前半の就業者においては、女性は就業者のうち過半数が非正社員なのに対し、男性は17.7%に留まっている。この違いは女性の兼業主婦状態にあると見てよい。

若年層全体(在学中の人除く)では正社員率は7割にも届かない。しかしその中身は多分に女性の兼業主婦化に伴い非正社員率が押し上げられている、年齢とともに男性は非正社員率は下がり、女性は上がっていくことを覚えておくべきだろう。

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※若年者雇用実態調査

厚生労働省が5年おきに実施している調査で、直近分は2018年9月22日から10月15日(個人調査は10月11日から11月30日まで)の間に調査票郵送配布・郵送返信方式にて行われたもので、有効回答数は事務所調査が9455事務所、個人調査が1万9889人。現時点では2018年実施・2019年発表のものが最新となる。

用語定義は次の通り。

「若年労働者」…15~34歳の労働者(就業者)

「常用労働者」…期間を定めずに雇われているか1か月を超える期間を定めて雇われている人

「正社員」…直接雇用関係のある雇用期間の定めのない労働者のうち、正社員・正職員など

「非正社員(資料上の表記では「正社員以外の労働者」)」…直接雇用関係のある労働者のうち、正社員・正職員などとされている”以外”の人(例 パート・アルバイト、契約社員など)

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。