新聞を読んでいる人の閲読時間はどれぐらいなのだろうか(2019年公開版)

↑ 朝の新聞を読むひととき。その時間の長さは!?(写真:アフロ)

新聞を読む人に限れば閲読時間は平均約25分

新聞を読む人は次第に減少傾向にあるという。それでは新聞を今なお読んでいる人の、閲読時間はどれほどなのだろうか。新聞通信調査会が2019年11月に発表した「メディアに関する世論調査」(※)の結果から確認する。

今調査対象母集団では新聞の毎日閲読率は4割台、頻度は問わずにとにかく読んでいる人は約2/3となる(購読ではなく閲読なので、回答者自身が新聞を購入していなくとも読んでいれば該当することに注意)。このうちとにかく読んでいる人に対し、その新聞の1日あたりの閲読時間を尋ね、その平均値を算出した結果が次のグラフ。

↑ 新聞の一日の平均閲読時間(新聞を読む人限定、属性別、分)
↑ 新聞の一日の平均閲読時間(新聞を読む人限定、属性別、分)

平均は24.9分。男女別では男性の方が長く、年齢階層別ではほぼきれいな形で年を取るに連れて長くなる傾向がある。

過去調査分からの変化を見ると、1年では大きな変化は起きていないようだが、中期的には30代までで増加、40代以降は減少しているように見える。もっとも30代までは新聞を読む人自身が大きく減っていることから、熟読する人のみが閲読者として残り、結果として平均値が上昇している(より厳選されていると表現すべきか)のかもしれない。

一方で2018年度以降に限れば、男女を問わず、20~60代で大きく減少している(50代は直近年度で大きく増加しているが)。もっともこれは設問の様式が変化したのが影響している可能性はある。しかしそうだとすれば、18~19歳と70歳以上の増加の説明ができなくなるが。

10年間に閲読時間はこれだけ減った

今調査では毎年ほぼ同じ条件で今項目に関する問いも実施している。単純比較できる最古のデータが2009年度分なので、それと比較した上で10年間の動きを見ていくことにする。

次に示すのは平均閲読時間の変化。18~19歳がプラス値、つまり増えている以外はおおよそマイナス、すなわち平均閲読時間が減少していることになる。

↑ 新聞の一日の平均閲読時間(2009年度→2019年度、新聞を読む人限定、属性別、分)
↑ 新聞の一日の平均閲読時間(2009年度→2019年度、新聞を読む人限定、属性別、分)

元々閲読時間が長いこともあり、おおよそ年が上になるに連れて減る分数も大きくなる。また、男女別では大きな差異が無いことから単純に年齢階層別での変化が生じていると見てよいだろう。

新聞を読む理由は人それぞれで、必要な時間もケースバイケース。株式市況面の注目銘柄を読むだけなら10分もかからないし、地元面をじっくりと読み通すのなら数十分、社会面や政治面、経済面まで含めて読み通し、世の中のあれこれを把握するのなら一時間でも終わるまい。

その閲読時間がおおよそ減っている現状からは、新聞で必要とされている情報が減少している実情が推測される。情報の流れ方そのものが加速化しているので紙媒体では追いつけないのも理由として挙げられるが、情報取得ツールとしての新聞の立ち位置が、相対的に少しずつ変化している現状もまた、閲読時間の変化に影響を与えているのかもしれない。

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※メディアに関する世論調査

直近分となる第12回は2019年8月23日から9月10日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3051人。有効回答者の属性は男性1467人・女性1584人、18~19歳58人・20代296人・30代390人・40代540人・50代490人・60代538人・70代以上739人。過去の調査もほぼ同じ条件で行われている。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。