新聞一番テレビが二番…メディアへの信頼度をさぐる(2019年公開版)

↑ 今なお新聞はもっとも信頼されるメディア。(写真:アフロ)

新聞、ラジオ、インターネットのようなメディア単位での信頼度が、発信情報の内容の真偽を精査する際に参照されることがある。今回はメディア単位での区切りにおける発信情報の信頼度について、総務省が2019年9月に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の公開値を基に、その実情を探ることにする。

今件項目では主要メディア、具体的にはテレビ、新聞、インターネット、雑誌を挙げ、それぞれについて(発信する情報の)信頼度の観点で「全部信頼できる」「大部分信頼できる」「半々ぐらい」「一部しか信頼できない」「まったく信頼できない」の5選択肢の中から1つを選んでもらい、そのうち前者2つの合計、つまり信頼できる派の値を信頼度として提示している。次のグラフはその結果を年齢階層別に連ねたもの。全体では新聞への信頼度が68.6%、テレビが63.7%と、高い信頼が寄せられている。

↑ メディアの信頼度(「全部信頼できる」+「大部分信頼できる」)(2018年)
↑ メディアの信頼度(「全部信頼できる」+「大部分信頼できる」)(2018年)

10代は学生の回答者が多分にいることから(社会にもまれて色々な情報の実情に触れる機会がまだ得られていない)新聞とテレビ、特にテレビの値が突出する形で大きく、20代で大きく減少。その後は新聞をより信頼する形で高い値を示す傾向がある。インターネットは10~20代で高め、30代以降は少しずつ落ちるが、雑誌は20~30代がピークとなり、それ以降は大きな下落。そして両者ともテレビや新聞にははるかにおよばない。信頼度の観点で、テレビと新聞の2大従来メディアにおける「権威」が今なお絶大なものであることがうかがえる。

インターネットへの信頼度の低さの理由は大きく二つ挙げられる。一つはインターネットそのものを利用していない層が一定数いるため。利用している・していないで大きな差異が生じている。

↑ メディアの信頼度(「全部信頼できる」+「大部分信頼できる」、インターネット利用状態別)(2018年)
↑ メディアの信頼度(「全部信頼できる」+「大部分信頼できる」、インターネット利用状態別)(2018年)

信頼できないからこそインターネットを利用していない可能性は多分にあるが、利用者と非利用者との間ではこれほどまでの大きな差異が確認できる。インターネット非利用者ではインターネットを信頼できる人は12.8%しかいない。

またインターネットの信頼度の詳細においては、ニュースサイトはそれなりに高いものの、ソーシャルメディア、動画配信・共有サイト、ブログなどではそもそもそのルートでニュースを取得していない人が多いのに加え、取得している人でも信頼性の低さが露呈しており、これがインターネット全体の値を大きく下げている。

↑ 情報源毎の情報信頼度(政治・経済問題(国内)、インターネット関連)(2018年)
↑ 情報源毎の情報信頼度(政治・経済問題(国内)、インターネット関連)(2018年)

全体では高めのテレビや新聞同様、インターネットでも対象となる場所により、信頼度は大きく異なっている。新聞もテレビもインターネットも、いずれにせよ単なる情報伝達手段に過ぎない、結局は各発信元単位の信頼性の問題と考えれば、道理は通る。

テレビ、新聞、インターネット、雑誌。いずれもメディアには違いないが、テレビや新聞、雑誌がほぼ同時に配信する情報を収集し編集する業界をも意味しているのに対し、インターネットは多分にインフラそのものを意味し、厳密にはテレビや新聞などとの比較は難しい。

テレビでは個人や少数グループによる配信が不可能、新聞も事実上不可能に近く、雑誌は同人誌などで可能なものの、今件のような調査の際には対象とはされていない。今件のような調査で新聞や雑誌が掲げられた際に、学級新聞や団体の機関紙、同人誌を合わせてイメージする人はいない。一方インターネットは個人や特定少数の集団による情報配信も可能で、さらにテレビや新聞、雑誌などの他メディアもその情報を置換した上でインターネット上に配信している。それらをすべてあわせた上で、「インターネット」の選択肢に回答しているのが実情。

この点を考慮した上で、各種メディアの信頼度は読み解く必要があることを付け加えておかねばなるまい。

■関連記事:

世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる(2010-2014年)(最新)

信頼を失いつつある米新聞やテレビニュース

※平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2019年2月23日から3月1日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13~69歳を対象とする1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。

なお今調査は例年11~12月にかけて行われるが、直近分は翌年の2~3月となっている。グラフや本文上の表記や考察は、報告書に準ずる形で2018年と表記する。また調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが生じているが、報告書では「調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」と但し書きをしている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。