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世界のモバイル向けゲームアプリの市場規模実情をさぐる(2019年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ スマートフォンのゲームには誰もが夢中。市場規模も大きなものと予想されるが。(写真:アフロ)

スマートフォンやタブレット型端末などのモバイル向けゲームアプリはどれほどの市場規模なのか。その実情と近未来の予想を、総務省が2019年7月に発表した情報通信白書から確認する。

最初に示すのは、世界および日本に限定したモバイル向けゲームアプリ市場の現状と2021年までの予想。2018年までが確定値で2019年以降は予想値。データの一次ソースはアメリカ合衆国の情報調査機関IHS Markitのテクノロジー部局IHS Technologyとなっている。

なおモバイルとは今件においては従来型携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末を指し、市場はそれら端末で用いられるアプリそのものの販売やアプリ内での課金が対象となる。無料でアプリを提供し、表示されている広告で収入を得ているビジネスモデルの場合、その広告費は含まれないので、広義の意味でのモバイル向けゲームアプリ市場はもう少し大きなものと考えられる。

↑ 世界のモバイル向けゲームアプリ市場規模(従来型携帯電話・スマートフォン・タブレット型端末のアプリおよびアプリ内課金対象、2019年以降は予想値、億ドル)
↑ 世界のモバイル向けゲームアプリ市場規模(従来型携帯電話・スマートフォン・タブレット型端末のアプリおよびアプリ内課金対象、2019年以降は予想値、億ドル)

2014年時点では世界全体で245.5億ドルだったモバイル向けゲームアプリ市場も、2018年には2倍を超える522.1億ドルにまで成長。やや成長スピードは鈍化するも金額は積み増しされ続け、2021年には602.6億ドルにまで達すると予想されている。白書では「スマートフォン・タブレット向けのアプリケーション市場は、消費者向けのゲームが市場を牽引してきた」と言及し、ゲームアプリがモバイルアプリ全体の(少なくとも金額面では)主軸たる存在であると説明している。

日本国内に限れば、2014年では56.6億ドルだったのが2018年ではほぼ2倍の111.0億ドル。2021年では128.2億ドルにまで成長を続けるとの予想。成長度合いは世界全体と同じようなもの。

日本の市場規模が世界全体に占める比率を計算すると次の通り。

↑ 世界のモバイル向けゲームアプリ市場規模(従来型携帯電話・スマートフォン・タブレット型端末のアプリおよびアプリ内課金対象、日本市場の世界全体に占める比率、2019年以降は予想値)
↑ 世界のモバイル向けゲームアプリ市場規模(従来型携帯電話・スマートフォン・タブレット型端末のアプリおよびアプリ内課金対象、日本市場の世界全体に占める比率、2019年以降は予想値)

2019年以降は予想値のため不自然な形で横ばいとなってしまっているが、おおよそ2割強を維持する状態が続いている。見方を変えれば世界のモバイル向けゲームアプリ市場の1/5ほどは日本が占めていることになる。

スマートフォンやタブレット型端末のようなモバイル系端末は、機動力の高いインターネット情報端末として多数の人に受け入れられ、今やインフラのような立ち位置を確保している。その上で提供されるゲームアプリの市場は、今後も順調に拡大を続けていくことだろう。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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