インターネットへのアクセス端末、全年齢階層で「携帯電話」>「パソコン」の時代(2019年公開版)

↑ パソコンもスマートフォンもインターネットの利用には欠かせない存在だが。(写真:アフロ)

パソコンや携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォンの双方)は現状ではほぼイコール「インターネット利用機器」として存在している。家庭用ゲーム機ですら、パソコンなどと比べると融通は利かないものの、インターネットへのアクセスが当たり前となっている。それでは実状において、それらの機器のインターネット端末としての利用率はいかなる状況なのだろうか。総務省が2019年5月に発表した「通信利用動向調査」(※)の報告書や公開データを基に確認していく。

今回メインとして精査するのは、「携帯電話(従来型携帯電話(PHS含む)とスマートフォン双方)」によるインターネットの利用率。比較対象としてパソコン、さらに単独で「タブレット型端末」「家庭用ゲーム機」をカウントしている。

今件利用率はインターネットそのものを利用している・していない人を合わせた、調査対象母集団全員を対象にした、全体比であることに注意。例えば今回の2018年時点でパソコンの全体値は48.2%であることから、調査対象母集団全員の5割近くは、パソコンを使ってインターネットにアクセスしている計算になる。

↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコンと携帯電話、年齢階層別)(2018年)
↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコンと携帯電話、年齢階層別)(2018年)
↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコン以外、年齢階層別)(2018年)
↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコン以外、年齢階層別)(2018年)

携帯電話やパソコンの利用時間は圧倒的に若年層ほど長い。当然のことながら、その年齢階層における利用率も高いものと考えられる。今結果の値はそれを裏付けている。

パソコンの動向を見ると、未成年者はやや低めで、成人に達すると50代まではほぼ一定率を維持し、それ以降は緩やかな下落を示す。子供のうちは学校や保護者のパソコンを利用させてもらっているケースが多く、大人になると自前で所有する以外に、就業先で利用するパターンが多くなる実情が想起される(質問票では「利用した機器の種類、公私の利用、利用場所を問わず、あらゆる場合の利用を含む」「図書館、インターネットカフェなどにあるパソコンなど、世帯以外が保有している機器からの利用を含む」とある)。定年に達する60歳以降が減少していくのは、就業先が無くなるので、使う機会が無くなるためと思われる。

パソコン以外では携帯電話の利用率が圧倒的。そして携帯電話そのものの利用率と同じように、20~30代がピークとなり、それ以降は漸減していく。

パソコンと携帯電話の利用率を比較すると、すべての年齢階層で「携帯電話>パソコン」との結果が出ている。数年前までは若年層までが「携帯電話>パソコン」で、高齢層になると「携帯電話<パソコン」、つまり「インターネットの利用といえばパソコンでの利用がメイン」だったのだが、前回年の2017年分で全年齢階層において「インターネットといえば携帯電話での利用がメイン」との結果となり、その状態は今回年分でも継続している。「『インターネットへのアクセスは全年齢階層で、パソコンよりも携帯電話(多分にスマートフォン)を用いての人の方が多い』時代がやってくるのかもしれない」とは2016年分まで使っていた言い回しだが、今やそれが体現化した次第ではある。

家庭用ゲーム機によるインターネットへのアクセスは、未成年者を中心に高い値を示している。特に6~12歳の年齢階層では3割を超えている。そしてタブレット型端末も同階層で3割強と、年齢階層区分では30~40代の値すら超えて最高値を示している。これは今件が所有率ではなくインターネットへのアクセス用の機器としての利用率であることから、保護者などが玩具として、あるいは学習機器として、自前の端末や世帯全体としての端末を子供に貸し与えているパターンが多分に該当するものと考えられる。タブレット型端末の利用実情を示すものとして、大いに注目したい。

今調査結果からはスマートフォンの若年層から中年層への加速度的な浸透ぶり、タブレット型端末の高齢層までをも含めた確かな普及率のかさ上げ、そしてタブレット型端末と家庭用ゲーム機の若年層の利用拡大化など、インターネット利用端末におけるトレンドをかいま見ることができよう。

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※通信利用動向調査

2018年分は2018年10~12月に、「世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に」「企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に」対して、郵送による調査票の配布および回収の形式によって行われている(企業向けは一部オンラインでも実施されている)。有効回答数はそれぞれ1万6255世帯(4万2744人)、2119企業。世帯調査における調査票のうち約8割は回収率向上のために調査事項を限定した簡易調査票が用いられている。各種値には国勢調査や全国企業の産業や規模の分布に従った、ウェイトバックが行われている。

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