パートやアルバイトの時給の地域格差をさぐる(2019年公開版)

↑ パートやアルバイトの時給は地域別でどれほどの違いが生じているのか。(写真:アフロ)

フルタイムの労働者の賃金同様、パートやアルバイトのような短時間労働者の時給も地域による差が生じている。今回は厚生労働省が2019年3月に発表した、賃金関連の情報を調査集積した結果「賃金構造基本統計調査」の最新版「平成30年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況」の報告書を基に、パートやアルバイトが該当する短時間労働者の地域別時給実情について確認する。

今回取り上げる短時間労働者とは具体的には「同一事業所の一般の労働者より1日の所定労働時間が短い、あるいは1日の所定労働時間が同じでも、1週の所定労働日数が少ない労働者」と定義づけられている。例えば「就業日はフルタイム出勤。しかし出勤日は月水金のみ」「就業日は一般労働者と同じ平日すべて。でも午前中は休みで午後のみの出勤」の場合は短時間労働者に該当する。また契約社員の大部分は正社員と同じ時間帯で働くことから一般労働者に該当し、今回の短時間労働者には該当しない。

なお所定内給与額とは、あらかじめ定められている支給条件・算定方法によって支給された現金給与額から、超過労働給与額(要は残業代)やボーナスなどを除き、所得税などを控除する前の額を指す。いわゆる賃金、今件ならば短時間労働者を対象としているので時給とも呼ばれているもの。

次に示すのは、男女それぞれの短時間労働者における平均時給の地域別動向。企業規模別で差異が大きく生じ得るため、今回は企業規模10人以上の事例に限定した(公開値の種類もこの区分の方が多い)。

↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、男性、都道府県別、円)(2018年)
↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、男性、都道府県別、円)(2018年)
↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、女性、都道府県別、円)(2018年)
↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、女性、都道府県別、円)(2018年)

産業種類による時給は大きく異なるため、高い時給を支払う産業が多い地域ほど高めの値をつけることになる。無論地域の物価や労働市場なども加味される。そのため今回の各値はあくまでも指標レベルのものと見るのが無難。

男女別に見ると、男性の最大値は徳島の1370円。次いで東京の1366円。東京近辺の関東地域を筆頭に、近畿圏など人口密度の高い地域で、やや高めの値が出ているように見受けられる。他方、低い地域は沖縄と大分の966円、熊本の998円など。

女性では最大値が東京の1310円、神奈川の1226円が続く。男性よりも関東・近畿圏の高値傾向がはっきりと表れており興味深い。最安値は秋田の926円。

一方、【厚生労働省の最低賃金制度に関する公式ページ「労働基準 > 賃金 > 最低賃金制度」】で確認してほしいが、最低賃金法では都道府県別・産業別で時給単位の最低賃金を法的に定めている。例えば東京都の場合は時給985円(2018年10月時点)となっている。

↑ 地域別最低賃金改定状況(時間あたり、都道府県別、円)(2018年度)
↑ 地域別最低賃金改定状況(時間あたり、都道府県別、円)(2018年度)

そこでこの最低賃金と、1時間あたり所定内給与額の差を算出したのが次のグラフ。多分に数字遊びの感はあるが、1時間あたり所定内給与額がどれだけ法的最低基準から上乗せされているのか、その目安となる。

↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、男性、最低賃金からの上乗せ額、円)(2018年)
↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、男性、最低賃金からの上乗せ額、円)(2018年)
↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、女性、最低賃金からの上乗せ額、円)(2018年)
↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、女性、最低賃金からの上乗せ額、円)(2018年)

男性ではもっとも大きな上乗せ額を示したのは徳島の604円、次いで三重の409円。地域別の傾向だったものは特に見られない。他方女性では宮城と東京が群を抜き、奈良や徳島が続いている。こちらも特に地域別傾向は見出しにくいのが実情ではある。

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