日本を信頼できる? 好感を持てる? 諸外国の国民の思惑は二極化(2019年公開版)

↑ 他国から日本はどのように思われているのだろうか。(ペイレスイメージズ/アフロ)

日本への好感度の実情

国家同士の関係はその国全体の利益、歴史観、周辺国とのつながり方など多要素によって形成されるため、単純な国民感情のみで決定されることは滅多に無い。一方で多くの国で採用されている民主主義的政治治世下においては、国民の意志が多々反映されるため、国民の強い意志により国政そのものが変化を受けることもある。今回は新聞通信調査会が2019年3月までに発表した、諸外国のメディアに関する世論調査「諸外国における対日メディア世論調査」(※)などの内容から、国そのものの施策にも影響を及ぼすかもしれない、国民ベースにおける日本への信頼度合い、好感を持つか否かについて確認を行う。

次に示すのは日本への好感度合い。設問は日本に加え調査各国を評価回答対象としており、選択肢も強弱肯定的、強弱否定的の計4つのみとなっている。次に示すのは肯定的=好感を持つ人の割合。直近年分に関しては属性別の回答率も開示されているため、こちらもグラフを作成する。

↑ 日本に好感を持てるか(とても+ややの合計)
↑ 日本に好感を持てるか(とても+ややの合計)
↑ 日本に好感を持てるか(とても+ややの合計、属性別)(2019年)
↑ 日本に好感を持てるか(とても+ややの合計、属性別)(2019年)

欧米3か国は肯定的な意見が6割台から8割台。イギリスがやや低めだが、これは2015年時点で公開されていた回答内容から推測するに、「分からない」が多く他項目を圧迫しているだけであり(選択肢には存在しないが、回答しなかったものと考えられる)、実情としてはアメリカ合衆国やフランスとほぼ同じと解釈できる。他方、他項目でも日本への好感度の高さを示しているタイは肯定派が9割を超えている。これらの国の動向は経年変化では大きな変わりは無し、むしろ上昇する国もあるほど(イギリスはいくぶん低下しているように見える)。

韓国はといえば、この類の他調査同様、日本に対する反発心が強い。肯定派は3割程度でしかない。直近年では下落し中国に抜かれ、対象国ではもっとも低い値になってしまう。中国は2015年の時点では質問自体ができなかったので空欄となっているが、動向としては韓国とほぼ同じ。ここ数年で少しずつ好感を持てる人の割合が増えてきたかな、という程度。

属性別動向を見ると、欧米諸国では男性の好感度が高く、女性は低め。若年層が高めで高齢層はやや落ちるといった、共通の動きを示している。タイは多少の誤差があるがほぼ押しなべて高めで、70歳以上では100%もの値が出ているほど。

他方中国では10代から30代までは高く、40代以降が異様に低いという世代の二分化状態が見て取れる。韓国でも10代から30代が高めで、40代以降が低い。興味深い傾向に違いない。

日本への信頼度合いの実情

それでは好き嫌いでは無く、信義則の観点などで、日本を信頼できるか否か。設問原文は「日本を信頼できる国だと思いますか」。選択肢のスタイルは好感を持てるか否かの時と同じ。

↑ 日本を信頼できるか(2019年)
↑ 日本を信頼できるか(2019年)

おおよそ好感を持てる・持てないの時と同じ動きで、方向性がさらに強化された感はある。米英仏タイは好感度合いの時と比べて肯定意見は変わらず、中国と韓国は否定意見が一層強い結果が出ている。またイギリスの「分からない」が多く、肯定意見の絶対値が押し下げられる現象は、今件からも確認ができる。中韓ともに日本を信頼に足る国と考えている人の割合は2割~3割程度と低く、強い否定意見を持つ人は中国で3割台、韓国では4割台。もっともこの動きは同様の他調査でも大体同じ結果が出ており、驚くには値しない。

なおグラフ化および詳細精査は略するが、米英仏タイでは属性別の動向について大きな違いは無い。一方、中国では若年層ほど信頼できるとの意見が多く、40代以降で急に信頼できるとの回答が少なくなる。韓国は押しなべて信頼できないとの意見が多い。さまざまな理由、思惑、背景があるにせよ、日本に対する各国のスタンスが透けて見えそうな結果ではある。

■関連記事:

日本から主要5か国への親近感推移をさぐる(2018年版)

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※諸外国における対日メディア世論調査

直近発表分はアメリカ合衆国、イギリス、フランス、中国、韓国、タイに対し、2018年11月から12月に行われたもので、アメリカ合衆国・フランス・韓国は電話調査、イギリス・中国・タイでは面接調査で実施されている。調査地域は中国・タイは都市圏、それ以外は全国。回収サンプル数は各国約1000件。グラフの年数表記は調査結果の発表年で統一している。過去の調査もほぼ同様の調査スタイル。

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