独身と夫婦との間で書籍などへの支出金額にはどのような違いがあるのか(2019年時点最新版)
インターネットという新しいメディアの登場で、紙媒体のビジネスは一様に厳しいとの話を聞く。世帯の種類で書籍などの紙媒体への支出金額にはどのような違いがあるのだろうか。単身世帯と二人以上世帯の違いについて、総務省統計局による家計調査の結果(年次分は2018年分が最新)から確認する。
次に示すのは世帯単位の紙媒体への支出金額の実情を月あたりで計算した結果。単身世帯は当然世帯主本人のみ、そして二人以上世帯は夫か妻の片方どちらか、さらには子供が購入しても(子供の小遣いによる調達までは「家計」にカウントしきれていないので、あくまでも「世帯全体のお財布から買った」もののみとなるが)支出金額として該当する。
子供の存在を考えると数字に大意は無い(大人と子供で購入傾向は大きく異なるにもかかわらず、それらをまとめて計算してしまう)のだが、一応二人以上世帯では「一人あたり」も(平均世帯構成人数から)算出して、グラフを併記しておく。
雑誌・週刊誌では単身世帯の方が上の結果が出ている。一人あたりの計算では当然だが、差異が開く形で単身世帯の方が上になる。二人以上世帯の雑誌・週刊誌離れだけで無く、単身世帯の(高齢化による比率相対的な)支出金額の積み上げが同時に起きているのだろう。
書籍においては世帯単位で見ると二人以上世帯の方がわずかに上だが、一人あたりで計算すると単身世帯の方がはるかに上回っている。個人の支出金額の観点では、単身世帯の構成員の方が書籍へ多くの支払いをしている計算になる。
今結果からはあくまでも金額からの推測だが、単身世帯でも二人以上世帯でも世帯単位で、雑誌・週刊誌も書籍もおおよそ1か月に1冊程度しか購入されていないと見ることができる。電子書籍の類は含まれていないとはいえ、寂しい実情には違いない。
■関連記事:
月あたりの週刊誌や雑誌、書籍の購入実情をさぐる(2018年12月分)
本屋の場所、大きさ別・雑誌やコミックの売上全体に占める割合をグラフ化してみる
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。