インターネットが与える影響のよし悪し、アメリカ合衆国の考え方をさぐる

↑ 人々の生活に浸透するインターネット。その影響はいかなる評価を受けているのか。(写真:アフロ)

インターネットは情報を操る便利な道具として大きな変化を世の中にもたらしている。その変化は人々にとってどのような影響を与えていると判断されているのか。アメリカ合衆国の人達の実情を、同国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年4月に発表した調査報告書「Declining Majority of Online Adults Say the Internet Has Been Good for Society」(※)から確認する。

次に示すのはインターネットの存在が社会全体と回答者自身にとって、主にどのような影響を及ぼしていると考えているのか、択一回答で答えてもらった結果。認識としてもゼロイチのようなものでは無いが、主にどちらなのかで答えてもらっている。

↑ インターネットは主にどのような影響を及ぼしているか(アメリカ合衆国)(2018年)
↑ インターネットは主にどのような影響を及ぼしているか(アメリカ合衆国)(2018年)

社会全体への影響としては、よい影響と考えている人は70%、よし悪し双方との考えは14%、悪い影響は14%。おおよそよい影響を与えていると考えている人で占められており、インターネットの存在が社会を悪くしているとの考えは少数派のようだ。

社会全体では無く回答者自身にとっても、インターネットは主によい影響を与えているとの認識が多数派となっている。よい影響は88%、悪い影響は5%のみ。

報告書では2014年の調査結果と比較して、「インターネットがよい影響を与えていると認識している人は減っている」と説明している。もっとも今設問の調査はまだ2014年と2018年の2回しか行われていないため、統計上のぶれが生じている可能性は否定できない。他方、2018年分の調査の属性別傾向としては、社会全体への影響の部分でよい影響と回答する人の割合に関して「高学歴者は高い値(大卒以上は81%)を、低学歴者は低い値(高卒以下は65%)を示す傾向がある」と示している。

他方、インターネットが社会全体に与える影響に関しては、よい影響・悪い影響それぞれの回答者に、どうしてそう思うのかその主な理由を尋ねている。

↑ インターネットは社会全体によい影響を及ぼすと考えている主な理由(アメリカ合衆国、インターネットは主に社会全体によい影響を及ぼすと考えている人限定)(2018年)
↑ インターネットは社会全体によい影響を及ぼすと考えている主な理由(アメリカ合衆国、インターネットは主に社会全体によい影響を及ぼすと考えている人限定)(2018年)
↑ インターネットは社会全体に悪い影響を及ぼすと考えている主な理由(アメリカ合衆国、インターネットは主に社会全体に悪い影響を及ぼすと考えている人限定)(2018年)
↑ インターネットは社会全体に悪い影響を及ぼすと考えている主な理由(アメリカ合衆国、インターネットは主に社会全体に悪い影響を及ぼすと考えている人限定)(2018年)

よい影響では選択肢の事情もあるが、6割強の人は情報取得を容易にするからと答えている。どのような情報かは別として、人々が情報を容易く手に取れるようになったことは、画期的な話に違いない。また、その情報には他人の思惑なども含まれるため、人々のつながりが容易になったのも事実であり、それをよい影響の主な理由と考えている人も2割強いる。

他方悪い影響の回答は選択肢だけでもよい影響と比べて豊富に用意されていることからも分かる通り、多様な方面で想定されうるのが実情。人を孤立させるとの回答は25%でもっとも多いが、これは情報のやり取りは容易になったが、その分物理的な接触は疎遠なものとなり、あるいはかえって過度の情報が孤立感を覚えさせることもあるというお話。ついで情報の中にはフェイクニュースや誤情報も多く、かえって社会全体を混乱させるデメリットの方が多いという認識も16%と高め。

子供への悪影響や犯罪に使われる、さらには個人情報の暴露・漏えいなと、インターネットの普及とともに大きな注目を集めている社会問題がそれぞれそれなりの同意率を得られている。

インターネットは結局のところ道具に過ぎず、その道具をどのように使うかは人次第。よい影響も悪い影響も、結局のところ使う人次第では無いだろうか。

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※Declining Majority of Online Adults Say the Internet Has Been Good for Society

アメリカ合衆国内に住む18歳以上の人に対し2018年1月3日から10日にかけて電話によるインタビュー形式で行われたもので、有効回答数は2002人。回答者のうち500人は固定電話、1502人は携帯電話経由。国勢調査の結果に基づきウェイトバックが実施されている。なお回答者のうちインターネット利用者は1785人。

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