現在飲酒者54.7%…アメリカ合衆国の飲酒状況をさぐる
アメリカ合衆国の18歳以上の飲酒率は54.7%
身体にはマイナスの影響を与えることが多いため、昨今の健康志向を受けて飲む人が減っているとされる「お酒」。アメリカ合衆国におけるお酒の飲まれ具合の実情を、同国の医療保険関連の公的機関CDC(Centers for Disease Control and Prevention:疾病予防管理センター)の部局BRFSS(Behavioral Risk Factor Surveillance System)の公開値から確認する。なお今件における調査対象は18歳以上、そして現時点での最新データは2017年分。
まずは調査時点で過去30日間にアルコールを口にしたか否か、つまり単純な「現在飲酒率」。全体では2017年時点で54.7%との値が出ている。見方を変えれば、直近30日間にお酒を口にしていない大人は45%程度。
男女別では男性の方が10%ポイント強ほど飲酒率が高い。そして年齢別では25~34歳が飲酒のピークとなる(アメリカ合衆国で飲酒が法的に許されるのは21歳以上のため、20歳までは飲酒は禁じられている。そのため法的に飲酒が禁じられ飲むことができない18~20歳が含まれる「18~24歳」層が少なめの値が出るのは当然の話)。
また属性別ではおおよそ高年収・高学歴ほど飲酒率が高くなる。右肩上がりをしていることも併せ、意外に思う人も多いかもしれない。付き合いの上で飲酒が必要になる場合も容易に想定できるし、ハードワークの疲れを飲酒で誤魔化しているのかもしれない。また、単純に飲酒にはコストがそれなりに必要なため、金銭的余裕のある無しが反映されているとの見方もできる(学歴は世帯年収と相応の相関関係があり、多分な因果関係も考えられる)。
ヘビードランカーは1ケタ%
それでは飲酒の程度はどれほどなのか。そこで「ヘビードランカーか否か」を聞いた結果をまとめたのが次のグラフ。これは男性ならば1週間で14杯、女性ならば7杯以上お酒を飲むか否かを答えてもらい、「飲まない人も合わせた全体に対する比」を算出したもの。アメリカ合衆国の18歳以上のうち6.3%は「ヘビードランカー」となる。
年齢階層別では25~34歳層が一番のヘビードランカー率で7.9%。それと大して変わらない値の7.5%が18~24歳。この層は上記の通り年齢制限上の問題があるにもかかわらず、高値を示している。実際には「飲酒できる人」の少なからずが結構な量を飲んでいることになる。そして年が上になるに連れて値は下がっていく。
世帯年収別、学歴別でも、単なる飲酒率同様に、高世帯年収・高学歴ほど値は高くなる。結果として「アルコールを口にした人におけるヘビードランカー率」を計算すると、低世帯年収・低学歴者の方が高くなる。例えば世帯年収5万ドル以上の人の「アルコールを口にした人におけるヘビードランカー率」は11.5%だが、1.5万ドル未満の場合は15.3%となる。また男女別では違いはあまり見られない、むしろ女性の方が高い値を示している。
年齢はともかく、世帯年収で飲む人の飲み方が違ってくる傾向は興味深い話には違いない。
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