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高校2年生は1割近くが朝食をあまり・全然食べていない…子供達の朝食事情をさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 親子で朝食。健康面はもちろんだがコミュニケーションの観点でも望ましい。(写真:アフロ)

上の学年ほど「朝食抜き」が多い

一般的には食事は朝昼夕の3回、時間を決めてしっかりとることが望ましいとされている。特に子供時代は学校生活の時間区分が明確化しているため、朝食や夕食の時間がばらばらであったり、朝食抜きの状態となると、何かとつらい空腹感を子供自身が味わうことになりかねない。今回は国立青少年教育振興機構が2018年8月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」(※)の報告書を基に、子供の朝食事情を確認する。

次に示すのは調査対象母集団における直近の朝食摂取状況。今件では朝食について特に定義は無く、設問では「朝、食事をとること」との文言のみが示されている。それを回答者が読み、回答者自身の判断で答えてもらっている。他調査のように、果物やヨーグルト、シリアル系の食品のみの場合は朝食とはみなさない、といった説明は無く、それらも朝食をとったとして回答されていると見てよいだろう。

↑ 朝、食事をとること(2016年度)
↑ 朝、食事をとること(2016年度)

小学生で毎日必ず朝食をとっている人は9割近く。これが中学生になると8割強、高校生では3/4程度にまで減る。他方、大体朝食を食べている、つまり時々抜くことがある人は学年が上になるに連れて増えて、小学4年生では7.1%に留まっているものの、高校2年生では13.8%にまで増加する。

赤系統色、つまり朝食をとらない派も学年が上がるにつれて増えていく。小学4年生では2.7%だが、高校2年生では10.1%にまで増加する。実に1割強の高校2年生は「朝食はあまり、あるいはほとんど食べていない」ことになる。

朝食をとらない人の中には、健康管理の問題など諸般の事情で朝食を食べられない、あるいは意図的に抜いている場合もあるものと考えられる。一方で、時間が取れない、保護者の多忙で作ってもらえない、ダイエットなどを意識して抜いているなど、望まない形での朝食抜き状態にある人がいることも想像できる。

朝食抜きの子供は減っているようだが

今件を各調査年別に見たのが次のグラフ。

↑ 朝、食事をとること(無回答除き再計算した値)
↑ 朝、食事をとること(無回答除き再計算した値)

おおよそではあるが、朝食を取る人は少しずつ増えているように見える。特に「大体している」「あまりしていない」人が減り、「必ずしている」人が増えていることから、日常習慣的に毎朝食事をとる・とれる子供が増えているようだ。一方で「していない」の値はほとんど変化が無く、身体的な理由も含めてだが、朝食をとることが無い子供の割合にはあまり変化が無いことがうかがえる。

ただし直近年度の2016年度では「必ずしている」が前回調査比で減り、「大体している」以外に「あまりしていない」「していない」も増えている。単なる統計のぶれか、朝食事情に変化が生じてきたのか、今後の動向が気になる動きではある。

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※青少年の体験活動等に関する実態調査

直近年度分は2017年2月から3月にかけて各学校(小学校は1年生から6年生まで各100校ずつ、中学校は2年生対象に150校、高等学校は2年生対象に150校)への調査票発送・返信による回収方式で行われたもので、有効回答数は学校数が879校、子供の回収数が18316件、保護者が15769件。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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