一番大勢の人が遊んでいるのは東京都…都道府県別のオンラインゲーム利用状況をさぐる
・オンラインゲームを利用している人は全国で17.7%(2017年)。
・都道府県別でオンラインゲーム利用者の割合がもっとも高いのは愛知県の28.4%、次いで群馬県の25.7%。
・利用者数を概算すると、東京都がもっとも多く、次いで愛知県、大阪府。
インターネットへの接続が前提のデジタルゲームであるオンラインゲームは、今や誰もが気軽に遊べる存在となっている。では実際にその利用状況は地域で違いが生じているのだろうか。総務省が2018年5月に発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値を基に、その実情を確認する。
次に示すのは2017年時点で調査対象母集団全体に対し、オンラインゲームをプレイしたことがあるか否かを尋ねた結果。ここにおけるオンラインゲームとは、調査の用語説明書では「インターネットを利用し、多人数で同時に同じゲーム進行を共有することができるゲーム」と記されている。多人数同時参加型ネットワークロールプレイングゲームの類に限らず、ソーシャルゲームなども該当すると見てよい。また全部無料でプレイできるものに加え、有料制のもの、そして基本プレイは無料だが特殊な環境や設定を利用する場合には課金を行う(例えばアイテム課金)もすべて含まれる。さらに機種は特定していないので、パソコンでもスマートフォンでもかまわない。要は回答者が説明を読んだ上で、オンラインゲームと認識できるもの。
また当然都道府県別では、その地域に居住する回答者に占める比率となる。値が高いほどプレイヤーの数そのものが多い訳では無い。例えば北海道は19.5%とあるので、6歳以上の北海道居住者のうち19.5%が2017年の回答時に過去1年間でオンラインゲームで遊んだ経験があることになる。
全体平均では17.7%。最大値は愛知県の28.4%で、1/4を超えている。次いで群馬県、栃木県、大阪府、埼玉県と2割以上が続く。オンラインゲームは一般的に若年層ほど手を伸ばしやすく、必然的に若年層が多い地域ほど高い値が出やすい傾向があるものの、その影響による傾向を超えた動きがあるようにも見える。ちなみに最下位は鹿児島県の7.2%、次いで福岡県の11.6%。
これらの値を算出した元の値、つまり該当者数そのものも原データには存在するが、各都道府県毎に回答者数ベースでウェイトバックはかけてあるものの、誤差を考慮するとそのままの値を用いて云々するのはあまり好まれないので、今件では省略しておく。
それでもなお、「各地域の人口比では無く、絶対人数での動きを知りたい」との意見もあることから、該当者の最上位地域を1.00とした時の相対値につき、上位地域のランキングを計算してグラフにしておく。各都道府県別の人口算出には、最新値の2015年分の国勢調査の結果を併用している(6歳以上総人口)。
トップは東京都。やはり人口の多さが影響していると考えられる。次いで愛知県、大阪府、神奈川県、埼玉県と続く。人口密集地における人口ボーナス的な効果が出ているようだ。オンラインゲームはインターネットを経由して行うため、距離感・地域性はさほど影響が無いはずだが、広報宣伝活動などでは、これらの値は大いに参考になるかもしれない。
■関連記事:
オンラインゲームで遊ぶ友人は平均で16人、半数は「ネット上だけの友人」
※通信利用動向調査
2017年分は2017年11月~12月に世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に、企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に対し、郵送による調査票の配布および回収の形式によって行われている(企業向けは一部オンラインでも実施)。有効回答数はそれぞれ1万6117世帯(4万1752人)、2592企業。調査票のうち約8割は回収率向上のために調査事項を限定した簡易調査票が用いられている。各種値には国勢調査や全国企業の産業や規模の分布に従った、ウェイトバックが行われている。過去もほぼ同様の条件下で実施されている。
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。