利用端末別にソーシャルメディアの利用率をさぐる
・インターネット機器としてパソコンを使っている人は48.7%、携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォンの双方合わせて)は62.6%(2017年)。
・パソコンでインターネットを使っている人のうち53.2%はソーシャルメディアを利用している。従来型携帯電話は26.1%、スマートフォンは62.5%。
・電子メールの送受信は従来型携帯電話でも高い割合で行われている。
昨今ではモバイル端末のスマートフォンとタブレット型端末の普及が目覚ましいが、これらの端末の浸透を大いに助け、また逆にそれらの普及で利用者が大きく伸びているのが、ウェブサービスのソーシャルメディア。それでは実態としてどれぐらいの人が、どの端末を使ってソーシャルメディアを利用しているのだろうか。総務省が2018年5月に発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値を基に、その実情を確認する。
今調査の結果においては、インターネットへのアクセス手段としてパソコンを使っている人は5割近く、携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォンの双方合わせて)で6割強。タブレット型端末では2割に迫る勢い。
それでは昨今のインターネットでは欠かすことができないウェブサービス「ソーシャルメディア」(ここではFacebookやツイッター、mixiのようなSNSに限らず、世間一般においてソーシャルメディアと認知されているLINEなども含む(質問票にもそのような記載あり)。ただし広義のソーシャルメディアとしては該当するブログや掲示板、動画投稿・共有サイトは、別選択肢として用意されているため、ここでは含まれない)に関して、いかなる端末からアクセスされているのだろうか。それを確認していく。
次のグラフは「該当機種でインターネットを利用している人」のうち「該当機種でソーシャルメディアを利用している人」の割合を表したもの(利用サービス無回答者は計算から除外)。
例えばタブレット型端末では61.7%と出ているが、これは「タブレット型端末を利用してインターネットにアクセスする人のうち、61.7%がソーシャルメディアを利用している」ことになる。「ソーシャルメディア利用者の61.7%がタブレット端末利用者」「インターネット利用者の61.7%がタブレット型端末でソーシャルメディアを利用している」を意味するのでは無いことに注意。
パソコンは5割強、従来型携帯電話は1/4強。そしてスマートフォンが6割強、タブレット型端末も6割強。意外なことにインターネット接続テレビでも6割強、家庭用ゲーム機などでも6割強との値が出ている。
今件は家庭内・家庭外双方を合わせた値であること、上記にある通り「ソーシャルメディア利用者全体に占める比率」では無く、「各端末利用者に占める比率」なことに留意する必要があるが、パソコンよりもスマートフォン・タブレット型端末の方が、そして携帯電話においても従来型携帯電話よりスマートフォンの方が、ソーシャルメディアとの相性がよいことがあらためて確認できる結果となっている。
これをソーシャルメディアおよびそれに類するサービス(広義でのソーシャルメディア)で確認したのが次のグラフ。
それぞれの機種でよく利用されている、相性のよいソーシャルメディアなどの種類の違いがよく出る結果となっている。狭義のソーシャルメディアや無料通話アプリなどはパソコンよりスマートフォンによる利用率が高く、ウェブやブログではパソコンやスマートフォンよりもタブレット型端末の方が利用率が高い。またインターネットに接続できるタイプのテレビでは多様なソーシャルメディア系サービスが活用されているのも分かる。電子メールの送受信は家庭用ゲーム機がやや低い値だがそれでも6割以上で、それ以外は8割以上という高い値を示しており、機種の性能・特性に捕らわれない低いハードルのツールであることも確認できる(あくまでもそれぞれの機種利用者全体に占める割合であり、絶対数では無いことに注意)。
電子メールを除けば従来型携帯電話利用者に占める値が低いのは、端末の機能そのものが低く未対応の場合もあるので仕方が無いとの見方もある。最近ではサービスを打ち切る事例も多々見受けられる。他方、インターネット接続テレビや家庭用ゲーム機が、イメージ以上にソーシャルメディアの利用に活用されている実態もうかがい知れる。
特に動画投稿・共有サイト(YouTubeやニコニコ動画など)は、インターネット接続テレビ利用者の7割強、家庭用ゲーム機利用者の8割近くが利用している計算になる。これらの環境下によるインターネットアクセスにおいては、動画投稿・共有サイトはFacebookやツイッターなどのソーシャルメディア以上に、コミュニケーション系サービスとして浸透していると解釈することもできよう。もっとも動画共有サイトの場合は、多分に視聴がメインで、一方向性的な面、やや強引だが「利用者が自在に検索し選択できる映像コンテンツ局」としての認識が強いのだが。
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※通信利用動向調査
2017年分は2017年11月~12月に世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に、企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に対し、郵送・オンラインによる調査票の配布および回収の形式によって行われている。有効回答数はそれぞれ1万6117世帯(4万1752人)、2592企業。調査票のうち約8割は回収率向上のために調査事項を限定した簡易調査票が用いられている。各種値には国勢調査や全国企業の産業や規模の分布に従った、ウェイトバックが行われている。過去もほぼ同様の条件下で実施されている。
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