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子供が使っているインターネット機器はどのようにして手に入れたのだろうか

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 子供達が使っているインターネット機器、入手ルートは?(写真:アフロ)

・小学生から高校生を子供に持つ保護者における、子供が使っているスマートフォンの入手ルートは9割以上が販売店店頭。

・格安スマホはオンライン・通販での調達が4割を超える。

・パソコンは5割強が販売店店頭。子供のために購入・入手したわけでは無いのも2割を超える。

今や子供達も多数が利用している、インターネットへ接続ができる機器。それらはどのようなルートで手に入れたのだろうか。その実情を内閣府が2018年3月に確定報を発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の結果から確認する。

次に示すのは子供がそれぞれの機器を利用している保護者に限定し、その機器をどのようなルートで取得したかを尋ねた結果。世帯利用端末や保護者本人の利用端末に関する動向では無いことに注意。また今件調査結果では「無回答」の値が大きめで無視できないため、「無回答」を除いて再計算を行っている。

↑ 子供が利用している機器はどのような手段で購入・入手したか(2017年、それぞれの機器を子供が利用している人限定、「無回答」除外再計算)
↑ 子供が利用している機器はどのような手段で購入・入手したか(2017年、それぞれの機器を子供が利用している人限定、「無回答」除外再計算)

スマートフォンはほぼ販売店の店頭で購入したケースで、それ以外はごく少数。機能限定・子供向けスマートフォンもほぼ同じだが、贈与によるものも少なからず見受けられる。ところが格安スマホとなると店頭販売での購入は5割を切り、4割強がオンラインや通信販売での購入となっている。格安スマホの販売の実情が透けて見える。

パソコンは過半数が店頭販売だが、1割強はオンラインや通販。他方、2割強は元々子供のために調達したものでは無かったとの回答。保護者と共用している、子供が専有しているか否かは別として、元々大人向けの端末が子供にも使われる事例が多々あることになる。タブレット型端末もパソコンのパターンに近いが、比率はノート・デスクトップ・タブレットの順に販売店店頭購入ルートが増え、元々子供のために調達したものでは無かったとの回答が減っていく。おさがり的な使い方としてはノートパソコンが一番多く、最初から子供に提供する端末として新規購入するのはタブレット型端末が多い構造が読める。

同じタブレット型端末でも学習用タブレットはオンライン・通販調達派が多い。また「家庭では管理していない」、つまり家庭外で使っていたり借りて使っているなどの回答も1割。学習用としての端末の特異性が見受けられる。

ゲーム機は多分に販売店での店頭購入で、オンラインや通販経由はごく少数。贈与なども数%確認できるが、保護者や年上の兄弟から譲り受けたものだろうか。

あくまでもこれらは「子供が使っている機器」限定で、世帯全体で使われている利用端末に関わる購入傾向では無い。保護者のみが使っている機器では、これとは違う実情を示す可能性もある。とはいえ「贈与など」「家庭では管理していない」「子供のためにではなかった」項目はともかく、さほど大きな違いが出るとは考えにくく、大よそ似たような傾向を示すものと考えられる。特に格安スマホの調達ルートは大いに注目すべき結果に違いない。

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※青少年のインターネット利用環境実態調査

直近年度分は2017年11月3日から12月3日にかけて2017年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(保護者は訪問配布訪問回収法)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法(保護者は加えて郵送回収法)を併用している。有効回答数は青少年が3288人(うちウェブ経由は122人)、保護者は3469人(うちウェブ経由は44人、郵送回収法は26人)。過去の調査もほぼ同じ形式で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更を加えたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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