子供達がタブレット型端末でしていることの中身をさぐる
・小学生から高校生でタブレット型端末を使ってインターネットをしている人の、具体的な利用内容は動画視聴、ゲーム、情報検索が半数超え(2017年)。
・インターネット接続テレビでは動画視聴が半数超え。
・小学生から高校生全体比では17.6%がタブレット型端末で動画視聴をしている。
タブレット型端末では動画視聴やゲーム
スマートフォンとパソコンの中間的な立場にあるタブレット型端末。スマートフォン同様に子供達の間にも浸透しはじめている。子供達はその端末でどのようなことをしているのだろうか。内閣府が2018年3月に確定報を発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)から確認する。
次に示すのはタブレット型端末、それに加えて学習用タブレット、さらにはインターネット接続テレビそれぞれでインターネットを利用している人における、その端末による利用内容を示したもの。普段からその目的で利用していると認識した項目に答えてもらっている。「コミュニケーション」とは電子メールやメッセンジャー、ソーシャルメディアなど、他人との意思疎通ができるサービス全般を意味する。
まず一般的なタブレット型端末では、動画視聴がもっともよく行われている。次いでゲーム、情報検索。ここまでが過半数。音楽視聴やコミュニケーションにも多くの人がタブレット型端末を使っている。利用傾向としてはパソコンのそれにやや近い雰囲気。
他方学習用タブレットでは「その他」がもっとも多く6割強。具体的な中身は説明が無いが、端末自身の特性を併せ考えると「学習」が当てはまるのだろう。それ以外では動画視聴や情報検索、コミュニケーションが2割足らず。他方、電子書籍の割合は1割強とやや高め。学習向けの端末ならではの動きを示している。
昨今では少しずつ普及し始めているインターネット接続テレビでは、動画視聴の利用率がもっとも高く6割近く。テレビの特性を考えれば当然の結果。それ以外ではゲームやニュース、音楽視聴が高めで2割近く。これもまた、テレビがおかれているポジションを考えれば納得のいく結果。
これを各機種でインターネットを利用している人に対する割合では無く、全体比で算出したのが次のグラフ。例えばタブレット型端末の動画視聴は17.6%とあるので、小学生から高校生全員のうち17.6%が、タブレット型端末を使ってインターネット経由で動画視聴をしていることになる。
タブレット型端末はインターネット利用普及率がそこそこ(全体比で24.8%)あるため、他機種と比べても群を抜いて高い値を示している。情報検索、ゲームで1割超え、音楽視聴は10.0%、コミュニケーションも8%近く。他方、学習用タブレットやインターネット接続テレビは、全体比では誤差の範囲でしか無い。実質的に学習と思われる、学習用タブレットの「その他」も2.0%。ポテンシャルはそれなりにありそうだが、まずは機種そのものの普及率向上が必要不可欠には違いない。
高校生に限ってみると
今回の調査対象母集団のうちもっとも金銭面での融通性が高く、また年齢の上でも大人に近い高校生に限定した結果が次以降のグラフ。空欄部分はその属性で回答者がいなかったことを意味する。
動画視聴がトップで情報検索が高い値を付けている点は変わらないが、ゲームが値を落としている。他の機種動向でも見られた動きで、高校生はゲームそのものへの関心が薄れていることを示唆している。一方で音楽視聴や電子書籍、地図・ナビゲーションなどはむしろ値を伸ばしており、実用的な使い方をしていることが分かる(あるいは実用できるような知識経験を持つようになったからだろう)。
学習用タブレットでは学習と思われる「その他」以外も、学習に関わり合いがありそうなニュース、情報検索、動画視聴、電子書籍の項目で高い値。またインターネット接続テレビでは動画視聴以外にニュースや情報検索、ゲームが高めの値となっている。
これを高校生全体比で算出したのが次のグラフ。
高校生では1割強がタブレット型端末で動画視聴をしている。情報検索は8.7%、ゲームは6.5%、音楽視聴やコミュニケーションも5%台の利用率だが、高い値とは言い難い。これはひとえにタブレット型端末でネットを利用する人の割合が小さいため(高校生全体比は16.1%)。大よそこれらの行為はスマートフォンで可能なため、わざわざタブレット型端末などで行う必要性は無いのだろう。
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※青少年のインターネット利用環境実態調査
直近年度分は2017年11月3日から12月3日にかけて2017年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(保護者は訪問配布訪問回収法)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法(保護者は加えて郵送回収法)を併用している。有効回答数は青少年が3288人(うちウェブ経由は122人)、保護者は3469人(うちウェブ経由は44人、郵送回収法は26人)。過去の調査もほぼ同じ形式で実施されている。
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