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インターネットでニュースを見る時に使う機器の実情をさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ スマートフォンなら電車の中でも気軽にニュースを閲覧できる。(ペイレスイメージズ/アフロ)

・インターネットでニュースを見る人の約8割がスマートフォンや従来型携帯電話で見ている。

・インターネットでニュースを見る人の大部分はスマートフォンや従来型携帯電話、タブレット型端末のようなモバイルのみで見ている。パソコンは少数派。

・全体比では18~19歳の8割強はモバイルのみでインターネットのニュースを見ている。

今や誰もが気軽にインターネットを使ってニュースを閲覧できる時代となった。それではインターネットでニュースを読んでいる人は、どのような機器を利用しているのだろうか。新聞通信調査会が2018年1月に発表した「メディアに関する世論調査」(※)の結果を基に確認する。

今調査対象母集団においてインターネットを用いてニュース(と回答者が認識できる情報)を取得している人は全体で71.4%、「毎日」の閲覧頻度で限れば43.4%に達している。その人たちに、インターネットでニュースを見る際にどのような機器を用いているのかに関し、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。

↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(複数回答、見る人限定)
↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(複数回答、見る人限定)

スマートフォンあるいは従来型携帯電話を用いている人が80.3%で最上位。その多数はスマートフォンなのは容易に想像ができるが、今調査では分離した形での問い合わせをしていないため、実情は不明。次いでパソコンが40.4%、タブレット型端末が13.4%と続く。「その他」は家庭用ゲーム機やスマートテレビだろう。

今件の使用機器を「モバイル(従来型携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末)のみ」「パソコンとモバイル」「パソコンのみ」に仕切り分けした上で、男女・年齢階層別に確認したのが次のグラフ。あくまでもインターネットニュースを読んでいる人、つまり少なくともインターネットを利用している人に限定した回答率であることに注意。

↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(属性別、見る人限定、2017年度)
↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(属性別、見る人限定、2017年度)

モバイルの利用率は男性よりも女性が高く、パソコンは男性の方が高い。それぞれ日常生活・就業時の利用傾向がそのまま反映されている。

年齢階層別では、全層がインターネットニュースを見るのはモバイルのみの人がもっとも多い。70歳以上ですら、わずかだがパソコンのみを上回っている。年上になるほどパソコンとモバイルの併用やパソコンのみの人の割合は増えていくが、モバイルのみの人を超えることは無い。いかにインターネットニュースとモバイルの相性がよいかが改めて認識できる。特に18~19歳では8割以上がモバイルのみで、パソコンを使ってインターネットニュースを読んではいないと回答しているのには、驚異を覚える人もいるに違いない。

余談になるが、これをインターネットニュースの利用者では無く、全体比を算出した結果が次のグラフ。それぞれの機器の普及率も反映されたもので(該当端末を利用する立場に無ければ、当然インターネットニュースを見ることはできない)、利用実態を把握するのにはこちらの方が分かりやすいかもしれない。

↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(属性別、全体比、2017年度)
↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(属性別、全体比、2017年度)

全体比でも18歳から40代までは過半数がインターネットニュースをモバイルのみで見ている。パソコン使用者(パソコンのみとモバイルとの併用者の合算)は一番多い50代でも42.6%に留まっている。パソコンとの併用も合算したモバイル利用者では、18歳から30代は9割を超え、7割超えなら50代までとなる。モバイルの利用者におけるインターネットニュースを見る頻度までは分からないものの、端末の利用傾向からは、決して低い頻度では無いことは容易に推測できる。インターネットニュースにおけるモバイルの利用実情として、大いに注目すべき結果には違いない。

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※メディアに関する世論調査

直近分となる第10回は2017年11月2日から11月21日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3169人。有効回答者の属性は男性1526人・女性1643人、18~19歳63人・20代274人・30代422人・40代567人・50代504人・60代601人・70代以上738人。過去の調査もほぼ同じ条件で行われている。

(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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