少しずつ減っていく睡眠時間…年齢階層別睡眠時間の推移をさぐる

↑ 睡眠は欠かせない生理行動。だがその時間は…(ペイレスイメージズ/アフロ)

・15歳以上の平均睡眠時間は男性7時間42分、女性7時間32分。

・前世紀からは少しずつ睡眠時間が減っている。1976年時点では男性8時間15分、女性7時間56分だった。

・年齢階層別で睡眠時間の減少に大きな変化は無し。ただし若年層で再び伸びる傾向も見られる。

漸減する平均睡眠時間

呼吸や食事とともに人の生理行動で欠かせないのが睡眠。その睡眠の時間の実情と過去からの推移を、総務省統計局が発表している社会生活基本調査(※)の結果から確認する。

まず最初に確認するのは男女それぞれの全体的な平均睡眠時間。週全体なので平日5日分と土曜・日曜それぞれの睡眠時間をすべて合わせて平均してある。

↑ 平均睡眠時間(15歳以上、週全体、時間:分、1日あたり)
↑ 平均睡眠時間(15歳以上、週全体、時間:分、1日あたり)

1976年当時は男性8時間15分、女性7時間56分だった睡眠時間も、前世紀末にかけて漸減。1996年に一時持ち直すも、再び漸減。直近の2016年では男性7時間42分、女性7時間32分までに減っている。女性はほぼ底打ちの雰囲気もあるが、男性はまだ今後も減少しそうな動きではある。

今件は調査対象母集団全体の平均のため、高齢化に伴い睡眠時間の長い高齢者の比率が高まっていることから、睡眠時間は伸びても不思議では無い。しかし実際には高齢化の影響を受けてなお、大きく睡眠時間が減っていることになる。

年齢階層別の動向

次に示すのは年齢階層別の睡眠時間の動向。高齢化による高齢者比率の増大に伴うゆがみを考慮しなくても済む動向を確認できる。なお1991年までは10~14歳は調査対象外だったため値が計上されていない。

↑ 年齢階層別平均睡眠時間(1976年~、週全体、時間:分、1日あたり、男性)
↑ 年齢階層別平均睡眠時間(1976年~、週全体、時間:分、1日あたり、男性)
↑ 年齢階層別平均睡眠時間(1976年~、週全体、時間:分、1日あたり、女性)
↑ 年齢階層別平均睡眠時間(1976年~、週全体、時間:分、1日あたり、女性)

受験勉強などの勉学で忙しくなる15~19歳までで睡眠時間が短くなり、大学生などが含まれる20~24歳で大きく伸び、それ以降は男性は就労でほぼ横ばい。女性は子供ができることで家事や育児で多忙になり、睡眠時間は短くなっていく。男性は定年退職、女性は子供が成人になるぐらいから睡眠時間は伸びていく。この傾向は昔も今も変わらない。

昔と今で異なるのは睡眠時間そのもの。大よそどの年齢階層でも昔と比べて今に至るに連れて、睡眠時間は短縮する傾向にある。イレギュラーな動きとしては男性の20代、女性の20代から30代で、これらの層は一時期減っていた睡眠時間が再び増える動きを示している。特に女性は20代ではほぼ1976年の水準にまで戻している。

やらねばならないことを1日の中に詰め込むには、睡眠時間を削るしか無い。睡眠時間の短縮傾向は、それだけしなければならないことが増えているのだろうか。

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※社会生活基本調査

5年おきに実施されている公的調査で、直近分となる2016年分は2010年時点の国勢調査の調査区のうち、2016年の熊本地震の影響を受けて調査が困難な一部地域を除いた、総務大臣の指定する7311調査区に対して実施された。指定調査区から選定した約8万8000世帯に居住する10歳以上の世帯員約20万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2016年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2016年10月15日から10月23日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と回収方式。

(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。