スマートフォンを使うシニア層、普段の利用実情をさぐる
・スマートフォンを使っているシニアがもっともよくしていることは通話、次いで電子メール。
・ニュース閲覧や写真撮影も6割強。メッセージアプリは5割強。
・通話や写真撮影、天気予報チェック、メッセージアプリ、電卓、時間確認では女性の方が男性よりも多くの割合で使っている。
今やシニア層にも浸透しつつあるスマートフォン。多様な機能をどのように使いこなしているのだろうか。シニア層のスマートフォンの利用実情を、ソニー生命保険が2017年12月に発表した調査報告書「シニアの生活意識調査2017」(※)から確認する。
今調査対象母集団(=50歳から79歳のインターネット利用者)のうちスマートフォンを利用している人(全体で53.0%、男性54.0%、女性52.0%)に対し、自分のスマートフォンで何をしているかを複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの人が行っているのは通話だった。ほぼ9割の人が普段からスマートフォンでは通話をしていると自認している。
スマートフォンも携帯電話の一種には違いなく、そして携帯電話は携帯が容易な電話。電話そのものは元々通話をするための機器であることを思い返せば、本来の役割である通話を普段から行っている人が一番多いのは、ごく当たり前の話ではある。もっとも昨今ではスマートフォンは情報携帯端末としての認識が強く、通話機能はむしろ副次的なものとして考えている人も少なく無いことから、今結果をいささか不思議に思う人もいるだろう。
次いで多いのは(電子)メールで85.8%。トップについた通話と併せ、特定の対象との間におけるコミュニケーションの道具として、スマートフォンを利用していることになる。
その次に多いのはインターネット検索の74.0%、さらにニュース閲覧、写真撮影、天気予報チェック、地図を見るが続く。インターネットを介した、あるいはスマートフォンそのものの実装機能の利用ではあるが、情報端末として多様な使い方をしているのが分かる。
LINEなどのメッセージアプリの利用は54.7%。通話やメールと比べれば少数ではあるが、スマートフォンを持つ高齢層の半数以上はメッセージアプリを普段から使っていると表現すると、随分と普及しているようにも聞こえる。
これを回答者の性別で仕切り分けした結果が次のグラフ。
男女別では劇的なまでの差は無いものの、メールやインターネット検索、ニュース閲覧、地図を見るなどは男性の方が高く、通話や写真撮影、天気予報チェック、メッセージアプリ、電卓、時間確認では女性の方が高い。それぞれの日常生活とスマートフォンとの結びつきの違いが表れているようで興味深い。
特にコミュニケーション系機能として、特定の人物とのやり取りに使われるものでは、メールは男性、メッセージアプリは女性の方が高い値を示している。普段からの使い慣れ度合いが関わっているのだろう。
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※シニアの生活意識調査2017
2017年11月21日から22日にかけて50歳から79歳の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、年齢階層比は50代と60代・70代で1対1。調査協力機関はネットエイジア。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。