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2018年の新成人は123万人・前年と変わらず

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 成人の日の華やかさはいつも通り(写真:アフロ)

・戌(いぬ)年生まれの人口は976万人、新成人の人口は123万人。新成人の数は前年2017年と比べて変わらず。

・新成人の総人口比は0.97%。

・新成人の数は大よそ年々減少中。

新成人は123万人、前年と比較して変わらず

総務省統計局は2017年12月31日、2018年1月1日現在における「戌(いぬ)年生まれ」の人口と「新成人」の人口の推計データを発表した。それによると戌(いぬ)年生まれの人口は976万人で、新成人の人口は123万人との推計となり、新成人の数は前年2017年と比べると同じ値となった。

2018年の新成人(2017年中に成人に達した人、2018年1月1日現在20歳)の人口は123万人だが、内訳としては男性63万人、女性60万人で、男性は女性より3万人多い。

↑ 新成人人口推移(万人)(各年1月1日現在)
↑ 新成人人口推移(万人)(各年1月1日現在)
↑ 新成人人口推移(万人)(各年1月1日現在)(21世紀分)
↑ 新成人人口推移(万人)(各年1月1日現在)(21世紀分)

新成人の人口推移を見ると、グラフ左側に位置する1970年が一番多い。これは第一次ベビーブーム世代が成人に達したのが原因。その後減少を続けているが、1980年以降再び増加に転じ、第二次ベビーブーム世代の人が成人に達する1995年前後にピークを見せる。その後減少傾向を再開し、今はそれが継続中の状態にある。

今回発表された2018年の新成人123万人は、データが残っている範囲では過去最低値を記録した2014年・2016年におけるの121万人からは2万人多い。水準的には2011年から2012年と近い、そして前年と同じ値となる。新成人の総人口比も0.97%と前年から変わらず。また昨年同様に総人口比で1%未満(2つ目のグラフで確認できるが、8年連続の状況)は継続中。

グラフ上、1987年に大きなへこみが生じているのが目に留まる。これは昭和41年・丙午(ひのえうま)年生まれの人が成人した年。いわゆる「丙午信仰・迷信」により出産数が極端に少なかったことに起因するもの。これが主な原因で、上記にある通り十二支では丙午生まれの人口がもっとも少なくなっている。このように視覚化すると、ここまではっきりとした動向が確認できる次第である。歴史的事実として覚えておくとよいだろう。

なお国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、今後の新成人人口は減少傾向で推移し、2025年には110万人を下回る108万人(男性55万人、女性53万人。総人口比0.88%)になると見込まれている。

戌年生まれは976万人

2018年は戌年。その戌生まれの人口は全年齢合わせて976万人で、そのうち男性は475万人・女性は502万人。総人口1億2660万人に占める比率は7.7%。出生年別に見ると、2018年中に48歳になる昭和45年(1970年)生まれの人が189万人でもっとも多い。次いで多いのは昭和33年(1958年)生まれの人で154万人。また戌生まれの人口は十二支の中ではもっとも少ない人数となっている(一番多いのは丑(うし)年生まれで1097万人) 。

↑ 男女、出生年別戌(いぬ)年生まれの人口(万人)
↑ 男女、出生年別戌(いぬ)年生まれの人口(万人)

2018年は戌年の中でも戊戌(つちのえいぬ、ぼじゅつ)に該当する。陰陽五行説では比和の性質に位置付けられており、よしにつけ悪しにつけ、勢いが盛んになるとされている。

前回の戊戌にあたる1958年では、世界的な出来事としては欧州経済共同体の設立や米国初の人工衛星エクスプローラー1号の打ち上げが行われている。日本では東京通信工業がソニーに社名を変更、関門トンネルが開通、 巨人の長嶋茂雄選手がデビュー、スーパーカブの発売開始、世界初のインスタントラーメンであるチキンラーメンの発売開始、東京タワーの竣工、公開開始などが行われている。また、皇太子・美智子様のご婚約によるミッチー・ブームが始まったのもこの年。フラフープが日本で流行り始めたのもこの年とされている(ただし健康被害や遊んでいる最中の交通事故などのリスクが指摘され、ブームは1か月強で沈静化している)。株価は前年の大幅下落から一転し、ほぼ一様に上昇し続け、堅調な相場展開を示している。

2018年もまた、国内外を問わず歴史の転換点となる多くの決断が行われ、波乱に富んだ事象が生じるのかもしれない。

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(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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