米国の日本への一般人の信頼度82%・有識者は86%
・米国の一般人で日本を信頼できる友邦国であると認識している人は直近では82%、有識者は86%。
・一般人の認識度は大よそ上昇傾向。ここ数年は下落に転じていたが、直近で大きく持ち直す。
・信頼できる理由は経済的結びつきがトップ。
外務省が2017年12月に発表した米国における対日世論調査「米国における対日世論調査」(※)の結果によると、米国の一般人の82%・有識者の86%が「日本を信頼できる友邦国である」と認識していることが分かった。
「日本は米国の信頼のおける同盟国・友好国(友邦)か否か」との設問で、イエスと答えた人の割合は直近となる2016年度では一般人で82%、有識者で86%に達した。
有識者に対しては1993年度以降に設問が用意されているが、今世紀に入ってからはほぼ9割を維持している。2015年度分はやや下がって83%と9割を割り込んだが、2016年度は持ち直しを示した。一般人については多少の上下を繰り返しながら1990年度代以降は上昇傾向にあり、2012年度においては2011年度から続く形で、過去最高の84%を記録した。一方それ以降は減少傾向にあり、2015年度でようやく底打ちし、2016年度では大きく上昇し、有識者に近づく形となった。
なお「信頼できる」と回答した人にその理由を複数回答で尋ねたのが次の結果。一般人と有識者とではいくぶん傾向が異なり、一般人の方が高い値=多方面の理由を挙げている。
一番の理由は「経済的な結びつき」。これは一般人も有識者も変わりが無い。一般人では次いで「国際社会における開発協力」だが、有識者では「世界経済の安定・発展に貢献している」が続く。「国際社会における開発協力」に関しては、有識者は日本のことをあまり評価していないようだ。また「国際秩序の安定に貢献している」「安全保障に貢献している」などでも有識者は一般人と比べて大きく差をつける形で低い値を計上しており、有識者は「世界における日本の具体的な影響力は期待したほど高いものでは無い」との認識があるようにも見受けられる。
選択肢の中で一番低い回答値は、一般人は「魅力ある文化」、有識者は「安全保障への貢献」。前年度の調査では一番低い値を示していた「国際社会における開発協力」は、今年度では比較的高い順位についているのが興味深い。もっとも有識者では他の選択肢が大きく下げたため、相対的に順位があがっただけの話なのだが。
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※米国における対日世論調査
外務省がニールセン(Nielsen)社に委託し、米国内において電話により2017年3月に実施されたもので、有効回答数は一般人1005人(18歳以上)・有識者200人(政官財、学術、マスコミ、宗教、労働関係などで指導的立場にある人物)。過去の調査もほぼ同条件で実施されている。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。