映画館での映画鑑賞を月に1日以上する人は596.8万人
名作が続々輩出され好調なように見える映画業界。実情として映画館に足しげく通い映画鑑賞をしている人はどれほどいるのだろうか。総務省統計局による社会生活基本調査(※)の公開値から確認する。
今調査結果によれば、過去1年間に1日でも映画館で映画鑑賞をしたことがある人(行動者)は4483.3万人に達している。属性比率では10歳以上の男性36.8%、女性42.2%。
今調査では1年間を通して1日でも映画館で映画鑑賞を利用した人だけでなく、利用頻度についても尋ねており、いくつかの仕切り分けで実情を確認できる。そのうち、年に10~19日以上(月に1日以上)の頻度を合算し、該当する人を集計したのが次のグラフ。映画館に足しげく通う人、映画館での映画鑑賞マニアとでも呼ぶべきだろうか。
10歳以上で総数は男性279.5万人、女性317.3万人、合わせて596.8万人。思った以上に多くいる実態ではある。あくまでも月に1日以上での仕切り分けだから、中には月に2回も3回も通う人も少なからずいる。昨今では1作品を何回でも繰り返し鑑賞するのを楽しむ動きも見られるが、その場合も別々の日ならば日数分だけカウントされるため、今件に該当する人も多数いると思われる。それもまた映画の楽しみ方の一つであり、ある意味その映画への愛情表現、投資活動でもあるのだろう。
比率も人数とほぼ同じ傾向で、全体比では男性は5.0%、女性は5.5%。男女共に20代前半がピークで、それ以降は30代までは低めとなり、40代以降は60代まで大よそ男女とも各階層で20万人前後を維持することになる。30代で凹むのは仕事や家事で多忙だからかもしれない。
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※社会生活基本調査
5年おきに実施されている公的調査で、直近分となる2016年分は2010年時点の国勢調査の調査区のうち、2016年の熊本地震の影響を受けて調査が困難な一部地域を除いた、総務大臣の指定する7311調査区に対して実施された。指定調査区から選定した約8万8000世帯に居住する10歳以上の世帯員約20万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2016年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2016年10月15日から10月23日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と回収方式。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。