18歳以上の銃所有率3割、5丁以上の所有者はそのうち3割近く…米国の銃所有実情をさぐる
銃の一般人への所有が許可され、その銃を使った事件が多発する米国。その米国では銃の所有者は何丁の銃を所有しているのだろうか。同国の民間調査会社Pew Research Centerが2017年6月に発表した調査報告書「America’s Complex Relationship With Guns」(※)から、その実情を確認する。
今調査対象母集団においては3割の人が自ら銃を所有している。
それでは銃所有者はどれほどの銃(許可されている種類の拳銃、ライフル銃、ショットガン合わせて)を所有しているのか。丁数を尋ねた結果が次のグラフ。
1丁は32%、2~4丁は37%、5丁以上は29%。所有理由や銃の種類で大きな差異が生じえるため、一概に多い少ないの判断は難しいが、全体像としては銃所有者の7割近くは複数の銃を所有していることになる。単純計算では成人(18歳以上)全体の2割近くが複数丁の銃所有者。
それでは具体的にどのような種類の銃を持っているのか。種類別の所有動向と、銃を1丁しか持っていない人がどの種類を所有しているかを聞いた結果が次のグラフ。
銃所有者全体の7割強が拳銃、6割強がライフル、5割強がショットガンを所有している。成人全体の2割強が拳銃、19%がライフル、16%がショットガンを所有しているとの概算ができる。
他方、1丁のみの銃所有者では62%が拳銃、22%がライフル、16%がショットガン。前者は護身用、後者2種類は狩猟用や競技用としての所有だろう。中には護身用にライフルを所有している人もいるかもしれないが、利用スタイルを想像すると、あまりありそうにはない。
具体的に何丁持っているかの分布や平均値は非公開。例えば銃コレクターならダース単位で持っていてもおかしくないし、護身用としてなら1丁で十分と判断する人も多々いる。所有目的によって大きく異なるため、あまり意味が無いと判断されたのかもしれない。
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※America’s Complex Relationship With Guns
2017年3月13日から27日と、同年4月4日から18日にかけて行われたもので、RDD方式によって無作為抽出された電話番号(携帯・固定を問わず)の対象者(18歳以上限定)に専用のウェブへアクセスし回答してもらっている。対象者がインターネットへのアクセス環境を持っていない場合は、タブレット型端末と無線インターネット接続環境が貸与される。対象者数は合計で3930人。国勢調査の結果に基づき、年齢や性別、学歴、居住地域、人種などでウェイトバックが実施されている。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。