日本における昨今のインターネット界隈の変化ぶりを語る際には、スマートフォンの普及率向上とソーシャルメディアの浸透、この2つを欠かすわけにはいかない。そして両者は非常に相性が良く、片方の普及がもう片方に大きな影響を与えている、深い連動性があることでも知られている。それでは実際問題として、ソーシャルメディアを利用している人はどのような端末を使っているのだろうか。総務省が2017年6月に発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値を基に、現状を確認する。

今件で対象となる「ソーシャルメディア」だが、今調査においては補足で「インターネット上の交流を通して社会的ネットワーク(ソーシャルネットワーク)を構築するサービスのことである。Facebook やTwitter、LINE などが代表的」との説明がされており、「LINE」などのようなチャット系コミュニケーションサービスもソーシャルメディアとして該当する仕切り分けとなっている(世間一般の認識に従ったのだろう)。他方、広義では同一分野として分類される掲示板や動画投稿サイト、ブログは(他選択として別途用意されていることもあり)該当しない。

まずソーシャルメディアの利用率そのものだが、インターネット利用者のうち、全体では大体5割。20代では7割を超え、70代に至るまで緩やかな減少傾向を示す。ただし70代以降でもインターネット利用者の1割前後はソーシャルメディアをたしなんでいる。

↑ ソーシャルメディア利用率(2016年)(年齢階層別)(インターネット利用者対象)
↑ ソーシャルメディア利用率(2016年)(年齢階層別)(インターネット利用者対象)

これら「ソーシャルメディアの使い手」の人達がアクセスをする際に、どのような端末を使っているのかを示したのが次のグラフ。複数回答であり、例えば「メインはPC(パソコン)だが外出時はスマートフォン」「Facebookはタブレット型端末、LINEはスマートフォンで」といった事例もある。その時はそれぞれ別個の端末を答えているため、4区分の合計が100%を超えている。

↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(2016年)(年齢階層別)(ソーシャルメディア利用者限定)
↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(2016年)(年齢階層別)(ソーシャルメディア利用者限定)

個々の利用端末を使える環境下に無ければ、その端末を使ってのアクセスは当然不可能。従って各年齢階層別の利用率、それぞれの端末の相対率は、個々の端末の「保有・利用率」に近い形となる。

直近2016年の端末毎の動向としては、全体でパソコンが1/4強なのに対しスマートフォンが9割近くと、3倍以上の差をつけて利用率が高い状態となっている。これはスマートフォンの画面の広さ、機動力の高さ、使いやすいアプリの浸透など、多様な好条件がそろった結果といえる。

スマートフォンの優位性は70代前半まで続き、70代後半になってようやくパソコンとポジションが入れ替わる。この年齢による利用率の変化は、端末保有率、インターネットのアクセス窓口としての利用率とほぼ一致している。

かつてソーシャルメディア利用時の主流だった従来型携帯電話(今件選択肢では「従来型携帯電話等」)は1割足らずに留まっている。ただし60代以降、スマートフォンの利用率が下がるにつれて値を伸ばし、最大7割強の利用率を示すことになる(80歳以上の回答者数は506人。無回答者で実数計算時に除外されている人が1/3いるが、それでも300人以上の回答となるため、統計上のぶれは発生し難い)。シニア層においては携帯電話としてだけでなく、インターネットの窓口としても従来型携帯電話は主流であり、それはソーシャルメディアにおいても変わらない。

最後にタブレット型端末。これは利用率が低めだが、本体そのものの普及率の低さが原因。ただし6~12歳においてはきわめて高く、パソコンすら超えて41.6%との高い値をはじき出している。これは前述の通り、保護者が玩具や教育器材として子供にタブレット型端末を与えているのが原因。

今後スマートフォンとタブレット型端末そのものの利用率は、さらに上昇することが予想される。それと共に「ソーシャルメディアへのアクセスはスマートフォン、タブレット型端末で」の利用スタイルを取る人は、ますます増加することになる。今件調査項目でも、スマートフォンやタブレット型端末は大きく値を上乗せするだろう。

官公庁はおろか地域のイメージキャラクターですら各ソーシャルメディアのアカウントを保有し、公的情報を配信する中で、今後利用端末の種類はどのような変化をとげていくのか。来年以降の成り様が楽しみではある。

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※通信利用動向調査

2016年11月~12月に世帯向けは都道府県及び都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に、企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に対し、郵送・オンラインによる調査票の配布及び回収の形式によって行われている。有効回答数はそれぞれ1万7040世帯(4万4430人)、2032企業。調査票のうち約8割は回収率向上のために調査事項を限定した簡易調査票が用いられている。各種値には国勢調査や全国企業の産業や規模の分布に従った、ウェイトバックが行われている。