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「とりあえず」は良く食べる・「締め」は我慢するネタが…回転寿司ネタ選択事情

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 最後の一皿はじっくりと味わって…状況によるネタチョイス事情

最初も締めもサーモンがトップ

多種多様なネタを楽しめる回転寿司だが、食事量とお財布の中身には限度があり、すべてを好きなだけ食べられるわけではない。それではどのようなネタが好んで食べられているのか。マルハニチロが2017年3月に発表した「回転寿司に関する消費者実態調査2017」(※)を元に、複数視点で確認する。

まずは回転寿司に入って実際に食事をする際に、最初に何を食べるか、そして最後のしめとして何を食べるかを尋ねたもの。最初も最後も最上位についたのはサーモンだった。

↑ 最初に/最後に食べることが多いネタ(それぞれ単一、上位10位まで)(2017年)
↑ 最初に/最後に食べることが多いネタ(それぞれ単一、上位10位まで)(2017年)

居酒屋ならばお通し、あるいは「とりあえず●×」に該当する、最初のネタとしてはサーモンがもっとも多く2割強。次いでマグロ(赤身)が11.4%、マグロ(中トロ)が7.0%、ハマチ・ブリが5.6%と続く。寿司関連で通の人の話によると、カウンタータイプの寿司屋においては注文に関して「この順に頼むのが通だ」的なものがあるとのことだが、回転寿司ではそこまでかしこまったことは考えず、好きなものを頼めば良い。とはいえ前座的なネタばかりを選んでお腹を満たしたのでは、メインディッシュ的なネタを十分に堪能できなくなる。

一方締めとしていただくネタだが、最初に食べるネタと比べて回答が分散しているようで、上位層の回答率が低い。それでもトップはこちらもサーモンがついている。次いでマグロ(中トロ)、玉子、さらにはマグロ(赤身)などトロ系のネタが人気ぶりを見せている。「そういや自分も締めにはこれを食べるよな」と同意感を覚えるラインアップといえる。

最初に選択するネタはいつもの、締めはとっておき?

次に示すのは同じ回転寿司のネタで、普段よく食べているもの、そして好みのネタで是非とも食べたいのだが、値段などの事情で我慢することが多いネタを尋ねた結果。

↑ 普段多く食べている/食べたいけど我慢することが特に多いネタ(複数回答、上位それぞれ10位まで)(2017年)
↑ 普段多く食べている/食べたいけど我慢することが特に多いネタ(複数回答、上位それぞれ10位まで)(2017年)

普段から多く食べているネタはサーモン、マグロ(赤身)、ハマチ・ブリ、そしてマグロ(中トロ)。そして食べたいけれども我慢することが多いのはマグロ(大トロ)が圧倒的で、次いでマグロ(中トロ)、ウニ、アワビと続く。やはり値段がネックのようだ。

そして興味深いことに、1枚目のグラフとの比較で、「最初に食べるネタ」と「普段多く食べるネタ」、「最後に食べるネタ」と「我慢することが多いネタ」で一致する部分が少なくないことが分かる。

普段から良くいただくものを最初に選ぶ、そして「最後だから」と思い切りよく、普段はあまり食べずに我慢しているネタを締めに選んで食べる。ネタの選択をしている自分自身を思い返せば、そのようなパターンもあるなと納得させられてしまう結果ではある。

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※回転寿司に関する消費者実態調査2017

2017年3月6日から3月8日にかけて、関東・関西在住の15歳から50代の男女に対しインターネット経由で実施。予備調査時点では4712人が調査対象母集団。本調査ではそのうち、月1回以上で回転寿司店を利用している人1000人を対象。本調査の男女比・地域比率はそれぞれ1対1。調査協力会社はネットエイジア。

※2017.04.11. 16:10 一部修正を行いました。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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