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スマホやタブレットとの相性の良さがあらためて…利用端末別のソーシャルメディア利用率を探る

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ タブレットだとソーシャルメディアも楽々利用できるよね、的な

スマートフォンとタブレット型端末の普及が目覚ましいが、相乗効果的に利用者が増えているのがソーシャルメディア。実態としてどの端末でどれ位の割合の人が、ソーシャルメディアを利用しているのか。総務省が2016年8月に詳細値を発表した「通信利用動向調査」を基に、その実情を確認していく。

今調査対象母集団ではインターネットへのアクセス手段としてパソコンを使っている人は5割強、携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォンの双方合わせて)で2/3近くとの結果が出ている。またタブレット型端末では2割に迫る勢い。

↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(全体比)(年齢階層別、2015年末)(パソコン)
↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(全体比)(年齢階層別、2015年末)(パソコン)
↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(全体比)(年齢階層別、2015年末)(パソコン以外)
↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(全体比)(年齢階層別、2015年末)(パソコン以外)

それでは昨今のインターネットでは欠かすことができないウェブサービス「ソーシャルメディア」(ここではFacebookやツイッター、mixiのようなSNSに限らず、世間一般においてソーシャルメディアと認知されているLINEなども含む。ただし広義のソーシャルメディアでは該当するブログや掲示板、動画投稿・共有サイトは、別選択肢として用意されているため、ここでは含まれない)に関して、いかなる端末からアクセスされているのだろうか。それを確認していく。

次のグラフは「家庭内外で該当機種にてインターネットを利用している人」のうち「該当機種でソーシャルメディアを利用している人」の割合を表したもの(利用サービス無回答者は計算から除外)。

例えば「タブレット型端末」では61.0%だが、これは「タブレット型端末を利用してインターネットにアクセスする人のうち、61.0%がソーシャルメディアを利用している」ことになる。「ソーシャルメディア利用者の61.0%がタブレット端末利用者」「インターネット利用者の61.0%がタブレット型端末でソーシャルメディアを利用している」ではないことに注意。要は「各機種によるインターネット利用者における、ソーシャルメディアへのアクセス率」を示している。

↑ 利用端末別ソーシャルメディア利用率(2015年末)
↑ 利用端末別ソーシャルメディア利用率(2015年末)

パソコンは5割、従来型携帯電話は3割。そしてスマートフォンが2/3近く、タブレット型端末では6割。意外なことにネット接続型テレビでも6割強、家庭用ゲーム機などでも6割に近い値が出ている。

今件は家庭内・家庭外双方を合わせた値で、上記にある通り「ソーシャルメディア利用者全体に占める比率」ではなく、「各端末利用者に占める比率」であることに留意する必要があるが、パソコンよりもスマートフォン・タブレット型端末の方が、そして携帯電話においても従来型よりスマートフォンの方が、ソーシャルメディアとの相性が良いことが確認できる結果となっている。

これをソーシャルメディア及びそれに類するサービス(広義でのソーシャルメディア)で見たのが次のグラフ。

↑ 利用端末別ソーシャルメディア等利用率(行動様式別)(2015年末)
↑ 利用端末別ソーシャルメディア等利用率(行動様式別)(2015年末)

それぞれの機種ごとでよく利用されている、相性の良いソーシャルメディアなどの種類の違いがよく出る結果となっている。狭義のソーシャルメディアや無料通話アプリなどはスマートフォンでの利用が多く、ウェブサイトやブログではタブレット型端末やネット接続テレビ利用者の多数が利用している(あくまでもそれぞれの機種利用者全体に占める割合であり、絶対数では無いことに注意)。

従来型携帯電話利用者に占める値が低いのは、機能そのものが低く未対応の場合もあるので仕方がない。最近ではサービスを打ち切る事例も多々見受けられる。

他方、ネット接続型テレビや家庭用ゲーム機が、イメージ以上にソーシャルメディアの利用に活用されている実態もうかがい知れる。特に動画投稿・共有サイト(YouTubeやニコニコ動画など)は、ネット接続型テレビ利用者の8割強、家庭用ゲーム機利用者の8割近くが利用している計算になる。Facebookやツイッターなどのソーシャルメディア以上に、コミュニケーション系サービスとして浸透していると解釈することもできよう。もっとも動画共有サイトの場合は、多分に視聴がメインで、一方向性的な面、やや強引だが「利用者が自在に検索し選択できる映像コンテンツ局」としての認識が強いのだが。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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