日本同様少人数世帯化へ進む米国の世帯構成推移
人口が増え世帯数も増えるが、世帯構成人数は減る傾向
少人数世帯化が進む日本だが、この状況は日本に限った話では無い。同様に少人数化が進む米国の実情を米国国勢調査局のFamilies and Living Arrangements項目における公開値から確認していく。
次に示すのは米国における世帯数の、構成人数別推移。今件における世帯とは、同一居住単位に住む人の集合体を意味する。米国の人口そのものは増加の一途にあるが(半世紀で2倍近くの増加)、それと共に当然世帯数も増加している。
一方で多人数世帯の増加よりも少人数世帯の増加の方が勢いが良いことも見て取れる。この半世紀強の間に単身世帯はおよそ5倍、二人世帯は3倍近くに増加しているが、五人世帯は2割強の増加に留まっている。
日本の場合は人口の漸減と共に少人数世帯化が起きているが、アメリカでは人口増加と少人数世帯化が同時に生じている。一方、全世帯数に占める構成人数別世帯数比率動向を見ると、日本と同じような構造にあることが分かる。
少人数世帯、特に単身世帯は大きく増加。半世紀強で比率は倍増し、直近の2015年では単身世帯だけで全世帯数の3割に届きそうな勢い(28.0%)。二人世帯(33.6%)と合わせれば6割を超えてしまう。半世紀前までは4割強だったことを考えると、この半世紀で大きな世帯構造の変化が起きていることが改めて確認できる。
世帯全体数、平均世帯人数、そして一人暮らしの状況
構成人数別の比率動向で、世帯構成が少しずつ少数人数にシフトしつつあることは確認できた。これをもう少し引いて全体像として眺めてみる。次に示すのは世帯総数と、平均世帯人数。
単身世帯を含めた平均でも直近値で2.54人。世帯総数は1億2459万世帯。少数世帯化は進んでいるものの、大人数世帯も減っているわけでは無く(さすがに7人以上世帯は減少しつつあるが、6人世帯までは増加傾向、6人世帯は今世紀に入って増加に転じている)、平均世帯人数の減少もゆるやかなものに留まっている。人口そのものの漸減と連動して少数世帯化が進んでいる日本の状況と比較すると興味深い。
最後に、日本でも問題視されている一人暮らし世帯の動向。これは全世帯比で算出した値の動向を計上する。残念ながら今件では全世帯比率のみで、世代別の動向までは確認が出来ないが、非婚・晩婚化、そして高齢者の増加に伴いアメリカでも単身世帯は確実に増加している。
直近2015年では28.0%、1/4強が一人身世帯。しかもこの値は緩やかではあるが確実に上昇過程にある。日本では2014年時点で一人身世帯は27.1%であることから、世帯数はともかく、全世帯に占める比率では、日本よりも一人身世帯化が進んでいることになる(!)。あるいは単身世帯対策に関して、先行するアメリカから何か学べることがあるかもしれない。
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